国際共同研究基金Bが採択になりました

大変ありがたいことに、科研費 国際共同研究基金Bに採択されました。審査をして下さった先生方に感謝致します。ありがとうございました。通知は12月だと思っていたら、10月だったのですね・・・基幹教育院の事務の方よりご連絡を頂いて、「え?またあ。まだ先だったはず」と思い、申請リストを見たら、「おおお!!採択されているー!」と。

実は、正直、驚いています。あまり自信はなかったのです。この科研費の公募に気づいたのが遅かったのですが、今回、サバティカルということもあるので、いい機会になると思って、がんばって書きました。しかし、この科研費は一緒に共同研究をしてくれる海外の先生のご協力が必要になります。その先生に一筆、書いてもらわないといけませんし、英語でその先生に何をやってもらうのかも書いてもらわないといけないのです。

本当に無礼を承知だったのですが、今回、サバティカルで受け入れ教員をして下さっているステファニー先生にダメ元でお願いしたのですが、いろいろ調整にすぐ動いて下さって、共同研究のグラントに出すことについてご承諾を下さりました。ステファニー先生にもとても感謝しています。

今回のネタですが、九大、ミシガン大学それぞれで研究開発し、成果も発表しているラーニングアナリティクスダッシュボードがあるのですが、それをより良いものにすべく、多角的にデータを分析し、有効性が高くなるデザインを検討するものです(その「有効性」というのがなかなか微妙な言葉ではあるのですが・・・w)。

先日、ステファニー先生も大変お忙しい中、お時間を作って下さり、ディスカッションをしたのですが、これ、なかなか難しいテーマなのです。単に、「ユーザーインターフェイスいいし、理解度もあがるし、良かったね」という代物ではないんですよね。ステファニー先生とも「一筋縄ではなかなかいかないよね」と、深イイ話ができて、これからの共同研究が楽しみになりました。

分担者はJST AIP加速研究などでもお世話になっている合田先生(熊本大学)、元基幹教育院の助教で大学院システム情報科学研究院の准教授で戻ってこられた大久保先生、法政大学のネハル先生の4名で行います。この科研は若手もいれて、若手育成にもつなげないといけないということもあり、ミシガン大学との共同研究で研究者育成にもつながればいいなと思います。いや、私もまだまだなんですけどね・・・しかし、年齢的にそうではないということになってきたことに少し寂しさも感じます。ですが、「若手」と定義されている研究者の元気に負けないように、いい研究、していきたいと思います。

研究成果を出して、効果的な授業にできるように展開するような研究にしていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します。

とうとうサバティカルが始まります

このキャリアを初めて、非常勤時代を含めていいのであれば、18年、正規の大学教員になってから14年経ちましたでしょうか、とうとうサバティカルを取得することができました。海外で滞在して研究をするのは初めてです。やっとこの時が来ました。長かった・・・NTTコムウェア時代では、研究ではなかったですが、2,3か月間だったでしょうか、イギリスのバーミンガムに行く権利があったのですが、911で延長になり、その後は部署異動があり、異動した部署では上司にその権利を取り消されました。金沢大学では在外研究に出してみてはどうか?と副学長だったかな、お薦めを受け、出そうとしたのですが、「研究センターではない(英語名ではResearch Center for Higher Educationだったのですが、研究センターではないらしいです(笑))」ことを理由だったか、センターの教員に申請を阻止され、若手研究者としての最後のチャンスを失いしました。それでやっと九州大学に来て、このチャンスを得ました。

しかし、またもや新型コロナウィルス感染症拡大のため、受け入れ先の大学といいますか、国が海外からの渡航を受け付けなくなり、ビザが出せなくなったため、どうなるかわかりませんが、1年、延長をさせて頂き、そして、今年、実現しました。いろいろ悩みましたが、年齢から考えると今しかないかなと思い、踏み切りました。

本来は事前に渡航し、受け入れて下さった先生や研究室メンバーへご挨拶をし、生活環境をある程度作りたかったのですが、授業期間中で、自己隔離が最長で2週間ある可能性を考えるとそれもできず、院長の谷口先生にご承認を頂きまして、8月の中頃から渡航しています。

渡航先は・・・アメリカのミシガン州です。ラーニングアナリティクス研究で世界的に有名で、ラーニングアナリティクス関係システムも学内運用している、ミシガン大学アナーバー校(University of Michigan, Ann Arbor)、School of Informationに客員研究員として所属することになりました。受け入れて下さった先生は、こちらもラーニングアナリティクス研究で大きな成果を出されているStephanie Teasley先生で、LED Lab (Learning, Education and Design) にてお世話になることになりました。ミシガン大学はMyLAなど、ラーニングアナリティクス研究とその成果の展開、またデータサイエンスの研究センターがバーチャルですが、大きな組織として存在しています。ラーニングアナリティクス研究を発展させるよい機会になると思います。Stephanie先生に、ご自宅にご招待下さりまして、お話をしたのですが、そんなに堅くならずに、いい在外研究の経験にして下さいとおっしゃってくださりました。事前に提出していた研究計画をもとに、共同研究を進めていきたいと思います。ご主人でありますThomas Finholt先生(Dean, School of Information)からはU-M School of Informationのキャップを頂きました。

Stephanie先生はもともと認知心理学のご研究もされている先生で、今の協調学習において、お互いの学習行動や意識を社会的に調整する「社会共有型調整学習(Social-Shared Regulagated Learning)にも通じるSocial Shared Cognitionのご研究、CSCLにおける知識構築に関するご研究もされていて、私の研究との接点が多くあります。この1年、教育・学習環境の改善に寄与する研究を推進していけるようにがんばりたいと思います。

このコロナ禍でアメリカに行くことについては様々なところから心配はされたのですが、まだこれからどうなるのかわかりませんが、今だからこそ、アメリカへ渡航するというのはアリかなと思っています。日本と違って、結構、コロナに対する対応が緩いところも多々ありますが(デトロイトの空港のレストランでかなり密着状態で飲んでいるのは驚きました)、なぜ感染しているのか、PCR検査・ワクチン接触がスーパーの中にある薬局でも可能など、対応ができるところが至る所にあり、その結果を随時更新しているというのは、日本と大きく違うところです。緩いところは緩いですが、締めるところは締めていて、日本よりもコントロールはできているような感じはします。

アナーバーですが、とてもいいところです。自然豊かで、鳥の声、虫の声、川の流れがあって、静かですね。蛍もいました。星も綺麗に見えますね。夏は短く、冬が長いと聞いています。8月末になってきているので、寒くなっていくのかなと思いきや、日中は25度を越える日もありますね。暑いです。渡航前にはストームがあったらしいのですが。

生活環境も徐々に整いつつあります。この1年、大事に過ごして、いい研究をしたいと思います。

挑戦的研究(開拓)に採択されました

ちょっと自分でも驚きました。まさか通るとは・・・採択率は1桁と言われる、かなり狭き門。萌芽も10%前半と言われています。審査員のみなさま、ありがとうございました。大変感謝しております。4年間という申請なのですが(実は3年で出していたと思っていました・・・汗)、「教育学とその周辺領域」において様々な研究へ展開していける大きな種になる研究をしていきたいと思います。

きっかけは、ラーニングアナリティクス研究をしていて、疑問に思ったことがあって、それをやってみたいと思って、書いたのです。ラーニングアナリティクスって情報系×教育系・・・といっても教育工学や認知科学・認知心理学の研究分野とされているのですが、ラーニングアナリティクスで見えること、わかることって、結局、人がラーニングアナリティクスの結果、見えたものに対して、どう思うか、どう考えるかなんだろうと思ったんですよね。

これまでラーニングアナリティクスで、共同研究者の島田先生、谷口雄太先生、Lu Min先生とも研究してきましたし、知能情報学の研究者チームが開発した、かなり高度な情報技術を活用し、学習の改善につながることを期待して、ラーニングアナリティクス基盤を開発してきました。特に谷口雄太先生、Lu先生とはこちらが考えたデザインを踏まえて、実装を検討して下さり、開発をしていただいておりました。そういうツールが実際の授業で使われて、学生さんたちの授業の理解度があがるといいなとか、いろいろ期待しているわけですが、ふと、「学生さんたちは、自分たちの学習行動データを見て、どう思うんだろうか?どうするのだろうか?」と思ったんですよね。

それを考えるに当たって、1つのキーワードが「教育データリテラシー」というものです。データリテラシーという言葉はニュースでもいろいろ出てきますので、わかると思うのですが、教育データリテラシーというのは、ただデータを分析する能力とか、データを解釈する観点とか、分析をするためのプログラミングスキルといったことだけではなく、それらのデータを活用して、どう学習環境を改善するかということを考え、行動できるものまで含むものです。ということは、これまでのデータリテラシーを教育に適用するだけでは不十分と考えられます。教育データリテラシーについては2019年の10月にカナダのケベックでUNESCOのEduSummitにおける、ラーニングアナリティクスグループにおいて議論はしたのですが、あまり深く議論できなかったです。扱う話題が多岐にわたったので、1つのテーマを掘り下げるというのは難しかったです。その議論プラスアルファについてはETRD誌に論文が載ったので、ご覧ください。

このあたり、ラーニングアナリティクス研究は大きく寄与できると思いますが、この教育データリテラシーというものが育成され、その先にある教育、社会はどういう姿をしているのだろうか・・・と思うと、情報系、教育工学系だけで議論していてもいかんなと思ったのです。さらに研究レベルでも国内外ではあまりされていない状況で、研究自体進めることもほとんどなかったのではないかと推測しております。

今回は「教育学領域と情報学の融合による教育データリテラシー習得モデル構築への挑戦」というタイトルで研究を進めていきたいと思います。情報系では本学の島田敬士先生に入っていただきました。教育工学系は私の他、合田先生(熊本大学)、そして、教育社会学より、基幹教育院の元同僚でもあり、現在は本学大学院人間環境学府にいらっしゃる木村拓也先生、教育哲学から、同学府、藤田雄飛先生にご参画をお願い致しました。もし採択されてかったとしたも、教育社会学や教育哲学からデータ駆動型の教育・学習環境というものについてどう映るのか、興味あります。

今回は採択していただきまして、大変感謝しております。小学校、中学校ではGIGAスクールが進み、子ども1人に1台の端末時代になっていきます。学習支援システムに触れる機会も増えていきます。その際に必要になるのが教育データリテラシーだと思っております。研究の発展をますますしていきたいと思っております。

これからもよろしくお願い致します。

ラーニングアナリティクスセンターが新たに立ち上がりました

このタイトルを見て、「あれ?九州大学って前からラーニングアナリティクスセンター(LAC)なかったっけ?」と思われた方々もいらっしゃるかもしれません。2021年3月以前のLACは基幹教育院内のLACだったのですが、今回、新たに立ち上がったのは全学のLACです。本学大学院システム情報科学研究院 島田敬士先生がご尽力され、設立ができました。私も微力ながら、参加しております。

九州大学ラーニングアナリティクスセンターhttps://la.kyushu-u.ac.jp/

これまでは基幹教育科目を中心に、有志の教員がラーニングアナリティクスを行う機能を活用した授業を行い、学習環境や授業の改善、それに伴う研究を行ってきました。その有志の教員の授業はリアルタイム分析や学習者の学習行動改善を促す学習ダッシュボードなどラーニングアナリティクス基盤を使うからこそできる授業運営ができ、学生さんの内容理解を促すための様々な試みをどんどん行うことができるのですが、そうではなく、その知見を全学展開をしていきたいと考えています。今回立ち上がったLACでは、ラーニングアナリティクスに関するシステムやそれらを活用した実践の知見、研究成果の平行展開を進めていくことを考えています。

まだ立ち上がったばかりで、これから活動の具体的方針を立てていくことになりますが、学習環境や授業の改善に寄与できる研究の実施、知見の展開に関する活動を行っていきたいと思っています。

ラーニングアナリティクスは高等教育だけではなく、小学校、中学校で進んでいるGIGAスクールの取り組みも広がっていくにあたり、次の段階で求められていくことになると思います。そして、ラーニングアナリティクスは普通のこととして認識されていくのではないかと思います。しかし、高等教育も含め、ラーニングアナリティクスは単にテクノロジーの話ではなく、利用者である教員の認識変化が求められる話でもあるので、普及というところまではかなりの時間がかかるとは思いますが。学生さんは教員と比べて、テクノロジーに対して、ポジティブに考える方も多く、うまく使いこなせる方も多いように感じてます。「ラーニングアナリティクスが普通に行われること」になるように向けて、頑張っていきたいと思います。私は主な研究フィールドとして高等教育を扱っていますので、高等教育からその貢献に向けた研究を進めて、平行展開できるようにしたいと思います。

本学の学習環境や授業改善に貢献する研究をすることが大きな役割ではあるのですが、その知見が国内であれば、上記GIGAスクール後の世界など、国内外に広まっていけばいいなと思います。

今後ともよろしくお願い致します。

新年度ゼミ、始動!!

4月が始まってもう1週間ほどたちますかね。コロナが落ち着くと思いきや、変異種が流行り、感染者数も急激に増えてきていますね。福岡はまだ落ち着いているようですが、東京、関西圏はかなり増えていて、大変なことになっています。本学は福岡のそういう状況から、いつオンラインに移行してもおかしくない状況であることは理解しておくことを前提に、感染防止策を十分にとりながら、とりあえずは対面授業を主な形態として進めています。来週からとうとう授業も始まります。

ゼミもとうとう始まりました。やっぱり対面ゼミがいいんですかね。学生の顔もちょっとはうれしそうというか、安心感というか、そういう明るい雰囲気はありました。今年度から新たに1名、研究生の留学生を受け入れたのですが、コロナ禍の影響で、ビザが発給されず渡航ができないので、遠隔でゼミ参加です。午前から英語ゼミで、英語の論文を読んで、議論するゼミからスタートし、午後は研究ゼミで、Cambridge Handbook of Cognition in Educationの続きを輪読し、後半は研究発表なのですが、初回はいつも私がゼミの運営方針と研究の心構え、Learning analyticsの研究動向、山田研としてがんばって出していく学会・国際会議情報を話します。これは私が東京工業大学 赤堀研学生時代に、赤堀先生が年度初めに、精神訓話という形でお話をされていまして、あれは気分が引き締まり、気持ち新たにがんばろうと思うことができ、それを恐れ多いことですが、マネしてやっています(笑)。研究ゼミは2週間おきにやっていますので、次回が本格的にスタートですね。

そのあとは統計ゼミと認知心理学ゼミをやっています。統計ゼミは統計の基礎文献を読みながら、実際のデータを触って、分析してみたりしています。やっぱり一番身になるのは自分の研究データを触ってみることなのかなと思っています。その方がAuthenticity上がりますよね。Nが少なくても、あくまで練習なので、様々な分析をしてみる、それで何が見えて、何が考えられるのか、考えるようなゼミを目指しています。認知心理学ゼミは「理解」に関する基本原則、理論を学ぶものです。かなり重要な基礎知識・理論で、このあたりをないがしろにしてはいけないんですよね。これは授業ではなんともならないところなので、ゼミで自主的に学ぶ形にしています。もう研究ゼミがある日は1日中、ずっとゼミですね(笑)。しかし、これは研究の力になるんですよね。ほんと。慣れるまで大変なのですが。うちの学生によると、山田研究室のゼミはかなり厳しいという噂らしいです(爆)。ええ、厳しいでしょうね・・・でも、研究を徹底的に進めていく基本的な知識とスキルを身につけるものですし、これは絶対に社会に出た時に役に立つものです。厳しく、辛いですが、ゼミはしっかりと進めていきたいですね。

今年度はAIP加速研究も最終年度になりますし、私代表の研究も3年目に入ります。コロナ禍ではありますが、研究を着実に進め、いい成果が上げられるようにがんばっていきたいと思います。

理事の4年が終わる:2021年春季全国大会が終わりました

去る3月6日、7日と、日本教育工学会2021年春季全国大会が開催され、無事に閉幕しました。多くの方にご参加下さりまして、感謝しております。これまでの経緯からやはり秋季全国大会の方が参加者は集まる傾向があるのですが、今回はまた、学会を通じてお知らせが出ますが、秋季全国大会の参加者に迫るほどの方にご参加を下さりました。正直、予想以上でした。ありがとうございました。

この大会がうまく運営できたのは、多くのみなさまのご助力を得てこそのものです。今回ホスト校・実行委員会を務めて下さりました関西学院大学のみなさま・学生のみなさま、さらには実行委員会アドバイザーを受けて下さりました小柳理事(関西大学)、村上理事(大阪大学)、また実行委員会委員ではないのにも関わらず、研究室をあげてご支援下さりました西森理事、研究室の学生さんたちには大変感謝しております。この2日間、大きなトラブルが全くありませんでした。いろいろヘルプデスクの用意も、対応策なども考えていたのですが、それもほとんど使うことなく、平穏でした。まずは参加者のみなさまがちゃんと事前にZoomの利用方法について学んできて頂いていることが大きいと思っています。そのあたりのご協力にも大変感謝しております。

実行委員会のみなさまは本当にいろいろ動いて下さり、感謝しております。実行委員長に、まさかの住政二郎先生で驚きました。住先生とはずっと前からいろいろご縁があり、よくEuroCALLという国際会議でお会いしていましたし、外国語教育メディア学会という学会で一緒に講演をさせて頂いたり、さらにはJSETとの共同で社会ネットワーク分析ワークショップもさせて頂いた仲でして、同世代ということもあり、フランクにいろいろお話できるので、住先生が実行委員長というお話聞いて、本当にうれしくて、安心したというのがありました。さらには、昨年まで大会企画側だった、福山先生がまさかの関学さんへ異動ということもあり・・・(笑)。副委員長の時任先生に「実行委員会メンバーの新任というのは・・・?誰とは聞きませんが、JSET関係の方ですかね?」と心配して聞いたところ、「大丈夫です。全く問題ありません。みなさんがよく知っている方です」と言われたので、誰だろう・・・と思って、いろいろ予測していたのですが、まさかの福山先生で、大会企画から実行委員会側へ行かれるとは予想もしていませんでした(笑)。しかし、大会企画委員会側の考えや様子をご存じの先生がいらっしゃるというのは本当に安心ですね。ありがとうございました。

今回はオンライン大会への踏み切りを早くし、原稿締め切りを昨年よりも早くしました。公式にオンライン大会となりますし、大会準備を盤石としたいと思っていたのですが、いろいろ準備も早くできたため、今回に限って、延長し受け付けることとしました。今回は委員メンバーも増加して頂きました。私が苦手な細かいところまでのチェックも、椿本先生(東京大学)・川面先生(帝京大学)の両幹事に全体的に見て頂きまして、とても助かりました。

プログラム編成も遠海先生(東北学院大学)、竹中先生(愛媛大学)、泰山先生(鳴門教育大学)が主力的に行って下さいました。かなり大変な作業なのですが、段取りよく進められるように、いろんなフォームも用意して下さり、管理がとてもしやすかったです。問い合わせ対応もして下さいました。ありがとうございました。問い合わせ対応は、なにげに大変で、締め切りが過ぎているにも関わらず、著者を足してほしいとか、原稿を差し替えてほしいとか、いろいろ依頼をしてくる方々がいます。それに1つ1つどう対応するのか、検討し、議論し、返答するのです。結構、大変なのです。このあたり、来年度はどうしていくのか、考えないといけないかなと思います。春季大会はスケジュールが結構、タイトで、いろんな作業が発生するので、1つ1つの負荷をどう下げていくか、課題になりますね。

今年は試行的に企業PRタイムも行いました。春季大会は基本的には大学で開催され、運営の負荷を下げる必要もあるので、企業展示は行わないという方針ではあるのですが、オンライン大会であれば、できることはいろいろあります。企業PRタイムはJSiSEの全国大会で行われていました。実際に参加して、とてもいいなと思いました。企業のサービスとフィットするセッションで、サービス紹介をしてもらい、興味をもってもらえたらいいなと思ったのです。JSiSE全国大会では最後に行われていたのですが、JSETではセッションの真ん中に入れました。いろいろ迷うところではあるのですが、ちゃんと聴講者に聞いてもらえる機会を設定することが重要かと思いましたので、セッションの真ん中にしました。ブース展示とは違う特徴のあるものですし、ブースだと聴講者に来てもらわないと何も出来ませんが、企業PRタイムは企業側からいくものなので、意義のあるものではないかと思いました。対面でもいれてもいいかもですね。大会サイトにもバナー広告を行いました。本件は川面先生(帝京大学)と小林さんと宇多さん(内田洋行)がご準備、段取りをつけてくださいました。ありがとうございました。

鈴木前会長との2ショット:鈴木先生も会長4年間、お疲れ様でした!!最後、対面で全国大会を開催できなかったのがとても残念です。

シンポジウムも、「デジタル・トランスフォーメーションが変える教育の未来」と題しまして、基調講演に安浦前理事(九州大学)、指定討論者として、堀田先生(東北大学)にお願い致しました。パネリスト講演に森田先生(早稲田大学)、高橋先生(東京学芸大学)、白井先生(大阪大学)にお願いし、大学や初等中等教育のデジタルトランスフォーメーションについてご講演頂きました。ありがとうございました。企画も大山先生(大阪大学)・長濱先生(東京工業大学)が担当されました。最初は年度末ということもあるので、コロナ禍における教育の変化とかオンライン授業のような話が出ていたのですが、もうコロナには疲れましたよね・・・ずっとコロナのことで悩み、苦しみ、最後にコロナで終わるというのは辛いです。理事会でもコロナの話も含めていいと思うが、JSETらしく、もっと前向きになるような企画がいいんじゃないか?ということで、教育におけるデジタルトランスフォーメーションという方向になりました。フレッシュな2人が司会をやっている様をZoom越しに見て、若手が担っていっている学会の姿を見えた気がしました。

このオンライン大会を運営するにあたり、土台になる環境構築に関わって下さった、松河副委員長、御園先生(島根大学)にはとても感謝してます。松河副委員長はZoomの契約から、実行委員会と調整して、支援体制を構築して下さいました。御園先生は大会ウェブサイト、プログラム、予稿集まで幅広くやって下さいました。他の担当との調整もして下さいました。ありがとうございました。

私個人としては、自主企画セッションを行いました。私が代表で研究を行っています、基盤研究(B)の成果報告で、ラーニングアナリティクスを踏まえて、自律的学習者を育成するには、どういうことを検討すべきか、どういうデータを収集し、分析し、フィードバックすればいいのかなど話そうかなと思っていました。島田先生(九州大学)が代表になっていますJST AIP加速研究との共催という形を組み、AIPの成果も含めて、九州大学で行っているラーニングアナリティクス基盤の評価、2020年度で大きな課題もであったオンライン授業にどう寄与したのかなどお話できました。島田先生、合田先生(熊本大学)からもご講演を頂きました。合田先生の「インストラクショナルデザインはラーニングアナリティクスに文脈を与える」というご発言、とても響きました。ラーニングアナリティクスに基づくインストラクショナルデザイン研究は私の研究室で行っているのですが、もっと発展性のあることができそうな感じがしています。今後も成果を上げ次第、こちらでも報告できればいいなと思っています。

これで、私、理事最後の仕事を終えました。4年はあっという間でした。寺嶋先生(大阪教育大学)が委員長をされていた大会で2年間、副委員長をし、後半2年は春季大会担当理事として委員長を務めました。もともとはSIG委員長が大会企画委員長を兼ねるという話で進んでいたので、大会企画委員長をやる予定はなく、油断していました(笑)。急転直下といいますか、春季担当という枠ができ、委員長となりました。秋・春と分かれてから初の委員長で、春はこれまで研究会だったのが、昇格というか、なんというか、全国大会に格上げになったわけですが、これまで行っていた全国大会を継続する秋とは違うので、新たにいろいろ検討を進めなければなりませんでした。企業展示もできず、収入的に厳しい中で、どうコストを落としながらも全国大会としての価値を上げていくか・・・実行委員会との関係をどう作っていくか、いろいろ悩みながら進めていった2年間でした。まさか2年ともオンラインの全国大会になるとは思ってもいませんでしたが、とても勉強になりました。

春大会担当が3年前でしたか、年末に東京に理事・評議員有志が集まり、これからのJSETに向けて何をすべきか、将来計画を考える合宿が行われました。全国大会もとても重要で、どういう企画計画し、実施していくか考え、整理されました。学生セッション・自主企画セッションの開始、参加費の割引を行い、シンポジウムのライブ配信は、コロナのこともありましたが、計画よりも1年前倒しで実施することができました。学生セッションはもっとやり方があると思います。ラウンドテーブルにするとか。学生向けの奨励賞を設置して、若手育成を進めるというのもあるかなと思います。このあたりは私が理事の時には着手できませんでした。また、コロナ禍の影響でオンライン授業をおこなう教育機関も増え、教育工学への関心も高くなっています。初めて参加する方向けのセミナーとかやってもいいかなと思います。

あと、全国大会に限らずなのですが、学会運営にいろんな方が関わるようになればいいなと思います。最後の大会企画委員会でも委員のみなさんとお話していたのですが、同じ方が繰り返し、理事や委員になるのではなく、様々な方々に学会運営に関わってもらい、教育工学領域の研究の発展を考えて頂く機会になればいいなと思っています。全国大会にはいろんな意味合いがありますが、1つは研究の支援というものがあります。教育工学の研究を高めていくにはどうすればいいか。他の委員会でも同様な要素はあるのですが、どの委員会であれ、教育工学の研究領域をどのように発展させていくか、これは大きな課題でもあります。それを考えることは、自分の研究を広げていくことにもつながります。

これからの全国大会の展開、楽しみにしています。この4年間の理事、非常に勉強になりました。みなさんに支えられての4年間でした。ありがとうございました。これからは新しい委員長のもと、春季全国大会が企画・開催されます。今後もJSETがますます社会的にインパクトを残せる、教育工学の展開をより強く進めていける学会になることを願っています。

修士学生の学習ゲーム研究論文がSSCIの論文誌に採録されました!!

ちょっと私としても驚きだったのですが・・・うちの修士学生の研究の一部成果が論文に採録されました!!修士の学生が在学中に、しかも海外誌(SSCI) Journal of Educational Technology and Society(Impact factor 2.086, Google Scholar Metrics in Educational Technology: Rank 4 (2020))に採録されるというのは、快挙というべきかと思います。査読者の先生方、特集号”Precision Education – A New Challenge for AI in Education”のGuest EditorsでしたStephen Yang先生、緒方広明先生、ご指導ありがとうございました。

Feng, X., and Yamada, M. (2021). An Analytical Approach for Detecting and Explaining the Learning Path Patterns of an Informal Learning Game, Journal of Educational Technology & Society, 24(1), 176-190 (SSCI, Impact factor: 2.086)

ET&S誌という国際的に非常にインパクトがあるジャーナルに採録されて、本当によかったです。学生もよくがんばってくれました。修士学生でSSCI論文誌を通したということで、博士課程も期待ができる・・・と思いきや、ゲーム業界に就職したいという思いで日本に留学してきた学生なので、次の4月からは日本国内のゲーム業界へ就職します。それも併せてめでたいです。おめでとう!!

主な内容としては、世界の文明(中国と日本ですが)における知識要素をコンセプトマップ調で学ぶことができるゲームにおける、Learning pathをレーベンシュタイン距離で表現し、クラスター分析によって分類された、学習成果が良いプレイヤーとそうではないプレイヤーにおいて、共通するLearning pathと異なるLearning pathを分析したものになっています。Game-based learningのLearning analytics研究は世界的にも結構されていますが、1つ1つの操作パス(学習ゲームだと、learning path)まで踏み込んで分析する研究は数少ないと思います。このような分析プロセスは様々なゲーム、教材分析に活用できると思います。いろんな応用に期待できますね。

今後もこのような教育・学習環境の改善・発展に寄与できる研究を続けていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

大変だった2020年が終わりますね

いよいよ2020年が終わります。今年もありがとうございました。みなさんも感じられていると思いますが、今年は時間が過ぎるのが早かったですね。2020年早々に新型コロナ感染症の世界的な広がりから、国内外において影響がすさまじいものがありました。社会生活に悪影響も広がり、苦難の年になりました。

大学においても、授業はオンライン授業で行うようになり、本学では前期中はオンライン授業、後期は対面授業も少し行われるようになりました。基幹教育院が行っている課題協学というグループワークを中心とした授業は原則、対面です。とはいえ、対面に参加できない事情を持つ学生もある一定数はいて、オンラインで参加する学生とのブレンドで授業を行っています。初めてオンライン授業を行う教員、オンライン授業を初めて受講する学生たちも数多くいて、その対応も新年度当初は大変だったかと思います。オンライン授業についてはいろんな考えを持っている教育関係者はいるとおもいますが、私はここまで根詰めて、国としてオンライン授業について考えて、取り組んだことはないので、これを1つの機会として捉え、「何が良い授業なのか」ということを考え、オンライン授業を1つの選択肢として広がることを期待しています。オンライン授業と一口にいっても様々あります。完全オンラインでもライブで行うのか、オンデマンドで行うのか、ブレンドで行うのか、ブレンドでもどういうシステム・メディアを組み合わせるのか、考えるべき観点は様々です。教育工学はこのような研究をずーっとやってきているのです。教育工学の研究知見が広がるといいなと思います。

さて、振り返ってみると、いろいろありましたが、2020年内の研究業績では、論文(共著)3本(いずれも国際誌、うち1本はSSCI)、国際会議は18本(うち1本はBest Paper Award受賞)、Book Chapterが1本でした。業績として、結構、がんばったと思います。うちの学生たちががんばってくれました。研究プロジェクトとしても、JST AIP加速研究と自身の科研費 基盤研究(B)を中心に据えて、システムのデザイン、開発、形成的評価を進めてきました。新型コロナ禍で海外渡航はできないものの、国内外でオンライン学会が多数開催されたというのも本年の特徴かと思いますが、参加費が安く済み、時間も効率的に使えるため、研究業績を多く積んでいけたというのはとても大きいと思っています。うちの学生はもう既に来年1月、2月締め切りの国際会議に向けて原稿執筆を進めています。AIP関係でも1つのシステム開発が終わり、これから形成的評価を進めていきたいと思います。年明け早々、いろいろ動いていきます。

またオンライン授業関係や、本学がラーニングアナリティクス研究を主体的に進めていることもあり、シンポジウムや他大学のFDにて、ラーニングアナリティクス関係の講演させて頂きました。4月のNIIによる「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」において、オンライン授業における成績評価にて授業デザインやラーニングアナリティクスが有用であるといったお話をしました(が、10分しかなかったので、言いたいことの半分もいえなかった・・・(泣))。このシンポジウムをきっかけに、他大学のFD、学内のFDでもお話をさせて頂きました。また朝日新聞さまにも記事として取り上げて頂きました。ラーニングアナリティクスの知見や教育工学でこれまで行ってきた研究知見なども紹介しました。この状況では特に教育工学の知見は効くはずなので、ぜひみなさんに興味を持って下さるとうれしいなと思います。

年末に大きいこともありました。うちの博士学生が博士号の審査の第一関門に乗ったことです。論文も海外誌2本、Best paper awardを受賞していますし、そろそろいけるかなと思ったので、副指導をして下さっている久米先生に相談をしてみたところ、十分ではないですか?ということで。私が兼任している専攻では教育工学がメインではなく、教育学の目で見られるため、「文化」がいろいろ違うのですが、教育工学研究領域の文化、採録された論文の採択率(18%と24%とあり、思ったより低いことに驚きましたが・・・論文誌として申し分ないはずです)、Best paper awardの説明も行いました。論文誌のクオリティをしっかり見ること、博士論文に向けて、いろいろ丁寧に指導、審査をしていくことで合意が得られ、とりあえず一歩、進みました。自分の経験を照らし合わせても、これからが長く、クオリティの高い博士論文を仕上げていくことが求められるので、大変です。学生も私も。

来年もいろいろイベントが盛りだくさんですが、1つ1つ越えていきたいと思います。来年は新型コロナもどうなんですかね?変異種が出たりとか、新型コロナ患者も急増しています。まだまだトンネルは続きそうですが、私たちができることを着実に進めていくことが大事かと思っています。

来年もよろしくお願いします。よいお年をお迎え下さい。年末年始はせめて平穏な時間になりますように。

EduSummit2019の成果がETRD誌に採録されました!!

CELDA 2020における山田研学生の陳さんがBest Paper Award受賞の報告をしましたが、続いて、昨年参加しましたEduSummit 2019における、Learning analytics (LA)のグループの成果がEducational Technology Research and Development (SSCI, Impact factor: 2.303)に採録されました!!本稿のとりまとめ、主執筆をされましたDirk Ifenthaler先生、一緒にケベックで議論を行ったLAのWorking groupのみなさまに感謝致します。また共同執筆をしたDavid Gibson先生、Doreen Prasse先生、島田先生ともよきコラボレーションでSSCI Journalの論文に成果を出せたことを大変うれしく思います。

Ifenthaler, D., Gibson, D., Prasse, D., Shimada, A., and Yamada, M.(in press). Putting learning back into learning analytics: actions for policy makers, researchers, and practitioners. Educational Technology Research Development. doi:10.1007/s11423-020-09909-8

EduSummit 2019では教育とICT関係のTheme-based Working Groupが12,3つあったのですが、島田先生と私はLearning analyticsのTWGに参加し、LAを広げていくにあたり、教員や教育業界で働く方々等の実践者、政策決定者、研究者が世界的な課題において何をやるべきか、それぞれの実践を持ち寄り議論をしました。日本からは私たち2人が参加し、九州大学や、京都大学との共同研究の成果について紹介をしました。それらをUNESCOへMeeting agendaとして提言をしました。それらをさらに各執筆者が精査、整理、追記し、論文化しました。

研究者に限らず、広くLAに関わっているみなさまに向けて、Open Accessとなっておりますので、ぜひご覧ください。

うちの学生が国際会議CELDA2020にてBest Paper Awardを受賞しました

ちょっと・・・かなり驚きだったのですが、山田研学生の陳さんがなんと国際会議CELDA 2020にてBest paper awardの1つに選ばれました。3件受賞があったのですが、そのうちの1件です。本人も驚いたようです・・・いやいや、私も。まさか受賞できるなんて思ってもいませんでした。Reviewerのみなさま、Committeeのみなさま、ありがとうございました。受賞対象は・・・

Chen, L., Lu, M., Goda, Y., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Factors of the use of learning analytics dashboard that affect metacognition, Proceedings of CELDA 2020, pp.295-302

です。島田先生@本学大学院システム情報科学府代表で、私が主たる共同研究者として関わっています、AIP加速研究(2019年度採択)の成果です。私が総括しています教育チームでデザイン、開発、評価をしていますMetaboardの1機能 “Reading path”の形成的評価についてまとめたものです。受講したクラス全体と自分の学習活動の違いを比較し、自分に足りていないことや、他者の学習行動を参考に自分の学習の改善に役立ててもらおうと思って、開発したものです。

コロナ禍の影響で、オンライン授業を余儀なくされた教育機関は学校種別を問わず、多かったことかと思います。対面授業であれば、受講者同士で「この授業資料、意味わかった?ここってどういう意味?」とか「その項目ってどこで見つけた?」とか、「このスライドの点で、前にやったっけ?」とか、いろいろ相談しあったりして、学習していくことも可能だったと思います。Reading pathはそこまで対面の状況を再現できるわけではないのですが・・・(笑)、少なくとも、同期遠隔環境において、同じ授業を受講している学生さんたちがどのような資料の読み方をしていて、どのスライドに注目しているのか、みんな、どの点に注目しているのか、自分と比較することができ、学習の参考とすることができます。とても評判がよく、思いがけないことに、「安心感があった」といった意見も頂きました。もちろんこのシステムだけで全てがカバーできるわけではなく、あくまで支援機能として位置づけています。まだまだ課題はあります。ですが、オンラインで不安に思っている学生さんたちの一助になったことに、研究はさておき、とてもうれしいことですし、さらなるラーニングアナリティクスを踏まえた支援システムを開発していきたいと思います。

授業に役に立ったという意見を学生さんから頂いたことに加え、Best paper awardまでも頂くことで、国際的にも研究として認めて頂いたことに大変栄誉なことだと思います。AIP加速研究は島田先生代表の情報科学系チーム、学習リソース管理に関わる研究をしている図書館チーム(内山先生)と山田の教育チームが連携して進めています。これからもよいものを開発して、研究を進めていくとともに、学生さんたちの学習を支援できる良いものをつくっていきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いします。