修士学生の学習ゲーム研究論文がSSCIの論文誌に採録されました!!


ちょっと私としても驚きだったのですが・・・うちの修士学生の研究の一部成果が論文に採録されました!!修士の学生が在学中に、しかも海外誌(SSCI) Journal of Educational Technology and Society(Impact factor 2.086, Google Scholar Metrics in Educational Technology: Rank 4 (2020))に採録されるというのは、快挙というべきかと思います。査読者の先生方、特集号”Precision Education – A New Challenge for AI in Education”のGuest EditorsでしたStephen Yang先生、緒方広明先生、ご指導ありがとうございました。

Feng, X., and Yamada, M. (2021). An Analytical Approach for Detecting and Explaining the Learning Path Patterns of an Informal Learning Game, Journal of Educational Technology & Society, 24(1), 176-190 (SSCI, Impact factor: 2.086)

ET&S誌という国際的に非常にインパクトがあるジャーナルに採録されて、本当によかったです。学生もよくがんばってくれました。修士学生でSSCI論文誌を通したということで、博士課程も期待ができる・・・と思いきや、ゲーム業界に就職したいという思いで日本に留学してきた学生なので、次の4月からは日本国内のゲーム業界へ就職します。それも併せてめでたいです。おめでとう!!

主な内容としては、世界の文明(中国と日本ですが)における知識要素をコンセプトマップ調で学ぶことができるゲームにおける、Learning pathをレーベンシュタイン距離で表現し、クラスター分析によって分類された、学習成果が良いプレイヤーとそうではないプレイヤーにおいて、共通するLearning pathと異なるLearning pathを分析したものになっています。Game-based learningのLearning analytics研究は世界的にも結構されていますが、1つ1つの操作パス(学習ゲームだと、learning path)まで踏み込んで分析する研究は数少ないと思います。このような分析プロセスは様々なゲーム、教材分析に活用できると思います。いろんな応用に期待できますね。

今後もこのような教育・学習環境の改善・発展に寄与できる研究を続けていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

大変だった2020年が終わりますね


いよいよ2020年が終わります。今年もありがとうございました。みなさんも感じられていると思いますが、今年は時間が過ぎるのが早かったですね。2020年早々に新型コロナ感染症の世界的な広がりから、国内外において影響がすさまじいものがありました。社会生活に悪影響も広がり、苦難の年になりました。

大学においても、授業はオンライン授業で行うようになり、本学では前期中はオンライン授業、後期は対面授業も少し行われるようになりました。基幹教育院が行っている課題協学というグループワークを中心とした授業は原則、対面です。とはいえ、対面に参加できない事情を持つ学生もある一定数はいて、オンラインで参加する学生とのブレンドで授業を行っています。初めてオンライン授業を行う教員、オンライン授業を初めて受講する学生たちも数多くいて、その対応も新年度当初は大変だったかと思います。オンライン授業についてはいろんな考えを持っている教育関係者はいるとおもいますが、私はここまで根詰めて、国としてオンライン授業について考えて、取り組んだことはないので、これを1つの機会として捉え、「何が良い授業なのか」ということを考え、オンライン授業を1つの選択肢として広がることを期待しています。オンライン授業と一口にいっても様々あります。完全オンラインでもライブで行うのか、オンデマンドで行うのか、ブレンドで行うのか、ブレンドでもどういうシステム・メディアを組み合わせるのか、考えるべき観点は様々です。教育工学はこのような研究をずーっとやってきているのです。教育工学の研究知見が広がるといいなと思います。

さて、振り返ってみると、いろいろありましたが、2020年内の研究業績では、論文(共著)3本(いずれも国際誌、うち1本はSSCI)、国際会議は18本(うち1本はBest Paper Award受賞)、Book Chapterが1本でした。業績として、結構、がんばったと思います。うちの学生たちががんばってくれました。研究プロジェクトとしても、JST AIP加速研究と自身の科研費 基盤研究(B)を中心に据えて、システムのデザイン、開発、形成的評価を進めてきました。新型コロナ禍で海外渡航はできないものの、国内外でオンライン学会が多数開催されたというのも本年の特徴かと思いますが、参加費が安く済み、時間も効率的に使えるため、研究業績を多く積んでいけたというのはとても大きいと思っています。うちの学生はもう既に来年1月、2月締め切りの国際会議に向けて原稿執筆を進めています。AIP関係でも1つのシステム開発が終わり、これから形成的評価を進めていきたいと思います。年明け早々、いろいろ動いていきます。

またオンライン授業関係や、本学がラーニングアナリティクス研究を主体的に進めていることもあり、シンポジウムや他大学のFDにて、ラーニングアナリティクス関係の講演させて頂きました。4月のNIIによる「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」において、オンライン授業における成績評価にて授業デザインやラーニングアナリティクスが有用であるといったお話をしました(が、10分しかなかったので、言いたいことの半分もいえなかった・・・(泣))。このシンポジウムをきっかけに、他大学のFD、学内のFDでもお話をさせて頂きました。また朝日新聞さまにも記事として取り上げて頂きました。ラーニングアナリティクスの知見や教育工学でこれまで行ってきた研究知見なども紹介しました。この状況では特に教育工学の知見は効くはずなので、ぜひみなさんに興味を持って下さるとうれしいなと思います。

年末に大きいこともありました。うちの博士学生が博士号の審査の第一関門に乗ったことです。論文も海外誌2本、Best paper awardを受賞していますし、そろそろいけるかなと思ったので、副指導をして下さっている久米先生に相談をしてみたところ、十分ではないですか?ということで。私が兼任している専攻では教育工学がメインではなく、教育学の目で見られるため、「文化」がいろいろ違うのですが、教育工学研究領域の文化、採録された論文の採択率(18%と24%とあり、思ったより低いことに驚きましたが・・・論文誌として申し分ないはずです)、Best paper awardの説明も行いました。論文誌のクオリティをしっかり見ること、博士論文に向けて、いろいろ丁寧に指導、審査をしていくことで合意が得られ、とりあえず一歩、進みました。自分の経験を照らし合わせても、これからが長く、クオリティの高い博士論文を仕上げていくことが求められるので、大変です。学生も私も。

来年もいろいろイベントが盛りだくさんですが、1つ1つ越えていきたいと思います。来年は新型コロナもどうなんですかね?変異種が出たりとか、新型コロナ患者も急増しています。まだまだトンネルは続きそうですが、私たちができることを着実に進めていくことが大事かと思っています。

来年もよろしくお願いします。よいお年をお迎え下さい。年末年始はせめて平穏な時間になりますように。

EduSummit2019の成果がETRD誌に採録されました!!


CELDA 2020における山田研学生の陳さんがBest Paper Award受賞の報告をしましたが、続いて、昨年参加しましたEduSummit 2019における、Learning analytics (LA)のグループの成果がEducational Technology Research and Development (SSCI, Impact factor: 2.303)に採録されました!!本稿のとりまとめ、主執筆をされましたDirk Ifenthaler先生、一緒にケベックで議論を行ったLAのWorking groupのみなさまに感謝致します。また共同執筆をしたDavid Gibson先生、Doreen Prasse先生、島田先生ともよきコラボレーションでSSCI Journalの論文に成果を出せたことを大変うれしく思います。

Ifenthaler, D., Gibson, D., Prasse, D., Shimada, A., and Yamada, M.(in press). Putting learning back into learning analytics: actions for policy makers, researchers, and practitioners. Educational Technology Research Development. doi:10.1007/s11423-020-09909-8

EduSummit 2019では教育とICT関係のTheme-based Working Groupが12,3つあったのですが、島田先生と私はLearning analyticsのTWGに参加し、LAを広げていくにあたり、教員や教育業界で働く方々等の実践者、政策決定者、研究者が世界的な課題において何をやるべきか、それぞれの実践を持ち寄り議論をしました。日本からは私たち2人が参加し、九州大学や、京都大学との共同研究の成果について紹介をしました。それらをUNESCOへMeeting agendaとして提言をしました。それらをさらに各執筆者が精査、整理、追記し、論文化しました。

研究者に限らず、広くLAに関わっているみなさまに向けて、Open Accessとなっておりますので、ぜひご覧ください。

うちの学生が国際会議CELDA2020にてBest Paper Awardを受賞しました


ちょっと・・・かなり驚きだったのですが、山田研学生の陳さんがなんと国際会議CELDA 2020にてBest paper awardの1つに選ばれました。3件受賞があったのですが、そのうちの1件です。本人も驚いたようです・・・いやいや、私も。まさか受賞できるなんて思ってもいませんでした。Reviewerのみなさま、Committeeのみなさま、ありがとうございました。受賞対象は・・・

Chen, L., Lu, M., Goda, Y., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Factors of the use of learning analytics dashboard that affect metacognition, Proceedings of CELDA 2020, pp.295-302

です。島田先生@本学大学院システム情報科学府代表で、私が主たる共同研究者として関わっています、AIP加速研究(2019年度採択)の成果です。私が総括しています教育チームでデザイン、開発、評価をしていますMetaboardの1機能 “Reading path”の形成的評価についてまとめたものです。受講したクラス全体と自分の学習活動の違いを比較し、自分に足りていないことや、他者の学習行動を参考に自分の学習の改善に役立ててもらおうと思って、開発したものです。

コロナ禍の影響で、オンライン授業を余儀なくされた教育機関は学校種別を問わず、多かったことかと思います。対面授業であれば、受講者同士で「この授業資料、意味わかった?ここってどういう意味?」とか「その項目ってどこで見つけた?」とか、「このスライドの点で、前にやったっけ?」とか、いろいろ相談しあったりして、学習していくことも可能だったと思います。Reading pathはそこまで対面の状況を再現できるわけではないのですが・・・(笑)、少なくとも、同期遠隔環境において、同じ授業を受講している学生さんたちがどのような資料の読み方をしていて、どのスライドに注目しているのか、みんな、どの点に注目しているのか、自分と比較することができ、学習の参考とすることができます。とても評判がよく、思いがけないことに、「安心感があった」といった意見も頂きました。もちろんこのシステムだけで全てがカバーできるわけではなく、あくまで支援機能として位置づけています。まだまだ課題はあります。ですが、オンラインで不安に思っている学生さんたちの一助になったことに、研究はさておき、とてもうれしいことですし、さらなるラーニングアナリティクスを踏まえた支援システムを開発していきたいと思います。

授業に役に立ったという意見を学生さんから頂いたことに加え、Best paper awardまでも頂くことで、国際的にも研究として認めて頂いたことに大変栄誉なことだと思います。AIP加速研究は島田先生代表の情報科学系チーム、学習リソース管理に関わる研究をしている図書館チーム(内山先生)と山田の教育チームが連携して進めています。これからもよいものを開発して、研究を進めていくとともに、学生さんたちの学習を支援できる良いものをつくっていきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

学生が投稿していたARを活用した日本語の複合動詞学習支援システムの研究論文が通りました


すばらしい!!うちの学生さん、10月から博士進学をしたのですが、早速、修士論文の成果を論文になりました。デビュー作が海外誌、しかもSpringerでSCOPUS indexの論文誌です。なんか感動!!査読をして下さいました先生方、ご担当下さった先生方に感謝致します。

Geng, X., Yamada, M. An augmented reality learning system for Japanese compound verbs: study of learning performance and cognitive load. Smart Learn. Environ. 7, 27 (2020). https://doi.org/10.1186/s40561-020-00137-4

日本語の複合動詞って知っています?動詞を2つ組み合わせてできる動詞で、まさに「組み合わす」なんてそうですね。「取り外す」とか「拾い上げる」とかも。「取り外す」と「外す」って何が違うんですかね?「拾う」と「拾い上げる」も・・・たしかにその違いって何?って海外の方に聞かれたらわからないです・・・

本研究はその違いを概念化したイメージ図式というものを活用して、ARで表現することで学習支援するシステムを開発し、評価したものです。紙で書かれた単一の動詞カードがあるのですが、それを開発したARアプリでかざすと・・・そのイメージが出てきます。動詞カードを組み合わせることで、複合動詞のイメージが表示されます。間違っている組み合わせの場合は「間違っている」ことが表示されます。

ゲーム的な要素も感じますし、CGで作成された具体的なイメージが表現されるので、わかりやすいですね。これからもっとこのシステムの改修を進めていったり、実際に利用して、評価していきたいです。もし研究利用にご協力下さる日本語教育関係の方でご興味を持たれましたら、お知らせ下さると幸いです。なお、本論文はOpen Accessですので、お手にとってくださるとうれしいです。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

JSET2021年春季全国大会の発表・参加受付を開始しました!


JSET2020年秋季全国大会が終わり、1か月ほど過ぎようとしています。ポスター発表のみでのオンライン発表で、そのためのシステムも新調し、運営もすばらしかったです。

秋季全国大会が終わって、1ヶ月ですが、10月2日より2021年3月に開催されます春季全国大会の発表・参加の受付を開始しました。寸前までいろいろ準備していましたが、JSET執行部の先生方、理事のみなさま、なによりも春季大会企画委員会委員のみなさまのおかげを持ちまして、受付を開始することができたことに、感謝しております。

https://www.jset.gr.jp/taikai38/index.html

春季大会は口頭発表のみの大会になります。関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス(とてもきれいなキャンパスです)で、コロナ明けの対面開催を参加者のみなさんでお祝いしましょう!!と行きたかったのですが、昨年度の信州大学大会、先月の秋季大会に引き続き、オンライン開催となりました。さすがに現在の状況では対面開催に踏み切ることができません。残念ですが、よい大会にしていきたいと思います。昨年度とは試行でしたが、今回は公式にオンライン大会となります。

昨年度と同様、一般研究発表ではSIGに合わせたテーマで発表を募集しますし、一般研究発表の中でも、教育工学研究の若手育成を目的とした学生セッションも行います。また科研費等の公的な研究費をお持ちの会員向けに、研究チームの研究成果に関するイベントを開催することができる自主企画セッションも受け付けています。自主企画セッションの設置費がかかりますが、研究成果を平行展開するワークショップ、研究成果に関する議論を深めるシンポジウムなど開催できます。こちらもぜひお申し込みください(春季大会企画委員会のメールアドレス宛にご応募ください)。

シンポジウムは「 デジタル・トランスフォーメーションが変える教育の未来」 というテーマで行います。様々な分野でデジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が聞かれるようになりましたが、このコロナ禍でますます進んできていると思います。教育では初等中等教育ではGiGAスクール構想でまずは1人1台端末と、WiFiを・・・なんて言っていたら、新型コロナウィルス感染症拡大により、大きなきっかけでDXが進むようになりました。大学等高等教育機関では、地域によって違うとは思いますが、後期になって対面授業が徐々に行われてきているものの、原則的にオンライン授業を行うということになっているところも多いと思います。しかし、この授業のオンライン化、ICTをフルに活用することで、さまざまな形態の授業でもいろんなことができることがわかってきました。このシンポジウムでは九州大学名誉教授・前副学長の安浦寛人先生を基調講演者としてお招きし、安浦先生が進められてきた教育のDXについてご講演下さります。その後、パネルディスカッションにて、早稲田大学の森田先生、東京学芸大学の高橋先生、大阪大学の白井先生によるご発表とパネルディスカッションを行います。まさに時を得たテーマだと思います。私も今から楽しみです!

一般研究発表は11月27日17時まで、自主企画セッションは11月6日まで(自主企画の採否通知は11月13日までにします)受け付けています。昨年度と比べ、早くなっていますので、ご注意下さい。

その他、昨年度と異なる部分もありますので、上記JSET2021年春季全国大会のウェブサイトをご覧下さい。

多くの方のご参加をお待ちしております。

JSET2020秋季全国大会にて発表を行いました


先週はJSISE全国大会に参加し、AIP加速研究で開発した学習ダッシュボード「メタボード」について発表をしましたが、この土日にJSET2020年秋季全国大会に参加しました。秋季大会ご担当の大会企画委員会、実行委員会のみなさま、お疲れ様でした。ありがとうございました。ポスター専用のシステム開発もあり、企画・運営以上のお役目もあり、大変だったように思います。お疲れ様でした。

今回、山田研究室では私を含めて5件の発表がありました。

馮 宣淇, 山田政寛 (2020).インフォーマル・ラーニングにおけるゲーム型学習環境の学習経路パターン検出アプローチ, 日本教育工学会2020年秋季全国大会講演論文集, 171-172.

完全オンライン環境のインフォーマル・ラーニングにおけるゲーム型学習環境の評価には学習プロセスを観察できず,形成的・実践的評価の構築が困難であるという問題が存在している.学習者の行動履歴の分析に着目するラーニング・アナリティクスはこの問題解決を期待できる. 筆者の以前の研究では学習者の行動パターンを検出し,可視化するアプローチを提起したが,学習コンテンツに触れていなかった.本研究では,知識を学ぶ順序である学習経路に注目し, レーベンシュタイン距離と階層クラスター分析を利用する学習経路パターンの検出するための新しい分析アプローチを提案した.

陳 莉, 山田政寛 (2020).学習行動の視点に基づいた協調的問題解決型STEM授業デザインの提案, 日本教育工学会2020年秋季全国大会講演論文集, 203-204.

近年,科学技術に関する知識習得とその知識を活用した問題解決能力の育成を目的と して,協調的問題解決型STEM 教育が世界的に広まっている. 本研究では,ラーニングアナリティク スのアプローチを用いて,学習行動の視点から,協調的問題解決プロセスをどのようにデザインし, どのようなSTEM学習の要因をSTEM授業に取り入れるのかを検討した.

徐 宇凡, 山田政寛 (2020).CSCL における参加度を向上させることを目的にした個人学習行動と参加度の可視化システムの開発, 日本教育工学会2020年秋季全国大会講演論文集, 249-250.

Computer-Supported Collaborative Learning (CSCL)研究における主な課題の1 つとして, 学習者の参加度にばらつきが発生する問題が指摘されている. この要因の1 つとして各グループメンバーが他者の個人学習状態とグループ活動への参加度を把握できず, 手抜き行動が発生していることが挙げられる. この課題を解決するために, これまで著者らは個人学習とグループ活動中の参加度の可視化のデザインしてきた. 本稿ではこれまでの可視化のデザインに基づき, それらのデータの収集およびインターフェースの開発について述べる.

耿 学旺, 山田政寛 (2020).拡張現実を使用した複合動詞学習支援システムの有効性の検討, 日本教育工学会2020年秋季全国大会講演論文集, 401-402.

近年, モバイルテクノロジーの進歩により, モバイル機器を使用して学習する機会が増えている. 拡張現実(augmented reality, AR)は, モバイルデバイスを使用し, 現実世界と仮想オブジェクトを組み合わせることで, 学習体験を向上させる可能性を提供する. 著者らは, AR を活用した日本語の複合動詞学習支援の拡張現実システムの開発を行ってきた. 本稿では学習成果と技術受容の度合いとの関係に着目して評価した結果について報告する. 評価の結果, AR に対する利用への行動意図と事前・事後テストの差分の間に強い負の相関関係がみられた.

山田政寛, 合田美子, 江木啓訓(2020).授業における受講者の座席位置は学習成果や意識に影響するか? -自己調整学習からのアプローチ-, 日本教育工学会2020年秋季全国大会講演論文集, 349-350.

授業中における受講者の座席位置は教員が経験的に学習のモチベーションや成果を推定する1つの指標として見られ, 関心を集めてきた.しかしながら,教員の経験に基づいた研究がされており, 理論的根拠が不明確であることが多かった. 本研究は講義型授業における受講者の座席位置が学習成果や態度に影響するか, 自己調整学習の観点より分析を行った. 分析の結果, 座席位置は自己調整学習意識, 欠席数や成績などと統計的有意な関係がないことが示された

うちの学生さんもがんばって発表していました。私は聞きたい発表があったので、ずっとモニターできていなかったのですが、馮くんのところには、藤本先生(東京大学)がいらしてくださり、話を聞いて下さっていました。ありがとうございました。耿くんのところにも1時間くらいはりついて議論して下さった先生もいらっしゃいました。きっと他の学生のところにも来て下さった方々がいらしたと思います。私たちの研究は多くの聴講者に支えられているなと実感しています。大変感謝しております。ありがとうございました。

さて、秋大会が終わり、次は春大会ですね。まだいろいろ検討している部分がありますが、そろそろ固めていかねばなりません。ウェブサイトやニューズレターで随時公開していきますので、お時間がございますときに、確認くださればと思います。春大会もあるのですが、12月にはIEEE TALEという科学技術教育関係の国際会議があります。そちらではPublication chairとSpecial Track 2のLearning Analytics関係のセッションのとりまとめをしております。こちらもいよいよ忙しくなってきそうです。JSiSE、JSET会員の方は割引で参加できますので、ご検討下さいますと幸いです。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

最後の論文編集委員会


とうとうこの日が来ました。10年務めた日本教育工学会論文編集委員会を退任しました。10年か・・・長かったです。1つの委員会で10年ってないですよね?(笑)本当は昨年、やめようと思い、退任の可能性といいますか、「退任するにはどうすればいいのか」委員会の場で聞いたのがまずかったのか、山内委員長@東京大学から、委員会後に「山田さん、やってもらいたいことがあるので、まだやめないでね」と言われてしまい・・・その「やってもらいたいこと」というのが、教育システム情報学会の英語論文誌との合同英文誌”Information and Technology in Education and Learning (ITEL)”の立ち上げでした。JSET側の立ち上げメンバーとして本当に微力ながら(結果としても本当に本当に微力でした)関わりました。ITELも無事に立ち上がり、編集委員会委員も節目となる10年ということで、退任をさせて頂こうと思い、山内委員長よりご了承されました。

Information and Technology in Education and Learning (ITEL)
https://www.j-itel.org/
是非、ご投稿ください!!

とても良い勉強になりました。非常に素晴らしい学びの場でもありました。研究者としてのキャリアを伸ばしてくれた、最高の場でした。担当の他、査読もするのでとても負荷が高いのもありました。論文投稿しかしたことがなかった身で、裏側ではみんな、ボランティアでここまで自分の時間を使って動いていて、編集委員会のみなさま、査読者に対して改めて感謝の気持ちも出ましたし、こういうことに今度は自分が関わっていくんだと期待という気持ちもありました。研究領域として発展させるコアコンテンツなわけですから、それは本当にうれしいことでした。

研究として優れたものを出していく使命をもちながら、自分の研究者としての目も養われました。論文を良いものにしていくにはどうすればいいのか、今から3代前の編集委員長だった淸水康敬先生の時より委員をしておりましたが、淸水先生がどのような投稿論文も必ず良い点があるとおっしゃってられました。それはその通りであるというのはこの10年通じて、思っているところです。その良い点を研究としてどう昇華させるのか、その支援をするというのが、査読者の役割でしょうし、編集担当の役割なのだろうと思います。

とはいえ、査読回数を何回も設定すれば良いと言うことではありませんし、投稿前にはそれなりのものにして頂くのは著者として検討してもらわないといけないわけですが・・・査読者、編集担当も個人の時間を使って見ているわけですし、投稿原稿修正マシーンではありませんから。ある程度、研究能力と論文執筆の力について素養がある、または指導教員や研究チームで支えあって、査読に回せるレベルに仕上げてきていることを前提にはしているのです。論文の修正可能性の見極めなども感覚的なものですが、わかるようにもなりました。これは自分の学生指導にも活きています。いうなれば、研究室内で査読をしているわけですので、それがそのまま活きます。研究室内でAcceptが出たら、それはお外に出して、外部の研究者の目からフィードバックもらうことにGoサインを出しますし、Rejectならば、表に出せないという判断になります。

いろんな領域の方々が編集委員会入りし、それぞれの立場からの論文の見方があることも勉強になりました。「なるほど、そういう見方があるのか・・・」と。特集号編集委員会には確か4回くらい、副委員長、幹事を担当しました。これが結構重いのですが、一番勉強になったと思います。論文の採否判断、その結果の妥当性など全体的な目から判断するわけなので、特集号は1巻きりですが、論文誌を作り上げていくプロセスを学ぶことができます。総説論文、展望論文も書かせて頂きました。これも自分の専門を活かしながら、その総説・展望の役割を考えながら書くことが勉強になりました。

なかなか言い尽くせないのですが、自分にとって、研究者としての駆け出しにあたる30代にこのような貴重な経験をさせて頂き、本当に感謝しています。40代になって数年が過ぎていますが、研究としてそろそろ次のことをいろいろ考えないといけないのかなと思って言います。そういう意識にさせてくれたのも論文編集委員会の場だったかもしれません。幸いに理事というお役目を頂き、春季全国大会の担当をしております。これもその1つと思っています。

さて、編集委員会を退任するにあたり、私が感じることは、ぜひいろんな方に編集委員会に関わってもらいたいと思います(とはいえ、誰でもなることができるわけではないのですが・・・)。過去やった方をぐるぐる回るのではなくて。編集委員会はいろいろ大変なこともありますが、研究者キャリアを高めていくのに重要な場だと思います。教育工学研究のおもしろさと課題、今後の展開を感じることもできると思います。今後の展開を考えるのは楽しいですよね。特集号というのはまさにそういう意味があり、それに関わるのはよかったと思います(ほんと幹事団は重いですけどね)。

これからも、様々な方、特に研究実績のある若手が編集委員会にからみ、研究者キャリアをたかめ、教育工学研究の発展に力を出してくれるとうれしいです。私は一会員の立場から応援したいと思います。

IEEE ICALT 2020で発表します


新型コロナ禍はなかなか落ち着きませんね・・・落ち着きを見せ始め、いろいろ行動規制が解除されるなか、再び、感染者が増加しています。私が関わっている日本教育工学会も、秋季全国大会はオンライン開催となりましたし、私が発表参加する予定の教育システム情報学会全国大会もオンライン開催となりました。

#日本教育工学会では座席位置と自己調整学習の関係性について発表します
#教育システム情報学会ではAIP加速研究の成果として、学習ダッシュボード
#”メタボード”の形成的評価について発表します

国内では日本教育工学会春季全国大会を皮切りにオンライン学会が進められ、国際会議でもオンライン開催の流れは当分続きそうです。IEEE ICALT 2020も私の研究室から2件発表予定ですが、オンライン発表でした。現地開催ならエストニアだったのですが・・・とてもいいところで、前回、ICWLという国際会議が開催された際にいったのですが、Skype本社へ訪問もさせてもらいました。国としてIT化がかなりすすんでいる国ということで興味がありますね。さまざまな行政的な手続きがオンラインですすむという、日本ではなかなかないことで、うらやましいです。

今回、IEEE ICALT2020では下記の2件を発表することになります。2件ともにShort paperですが、もしご興味がありましたら、聞いて下さいますと幸いです。参加だけなら50ユーロらしいです。

Geng, X., Xu, Y., Chen, L., Ogata, H., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Learning Analytics of the Relationships among Learning Behaviors, Learning Performance, and Motivation, Proceedings of IEEE ICALT 2020, in printing

これは昨年度実施したラーニングアナリティクスの高校への展開として、数学をフィールドに、インストラクショナルデザインの1つであるARCSモデルの評価指標 Course Interest Surveyと学習ログとの関係について分析したものです。習熟度別3クラスで授業が実施されていますが、そのクラス間比較なども行っています。授業デザインと学習行動の分析はあまりされていないのですが、効果的なインストラクショナルデザインを検討する1つの重要な観点になります。これまで質問紙で評価していたものが、行動レベルでも評価することが可能となり、授業改善へのフィードバックに対して必要なことを検討することができます。

Chen, L., Xu, Y., Geng, X., Ogata, H., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Do Difference Instructional Styles Affect Students’ Learning on Summer Assignment?, Proceedings of IEEE ICALT 2020, in printing

これは高校における夏休みの宿題(の一部)における学習行動の分析についての発表です。データは数学のみを使用しています。夏休みの宿題って、アジア圏の文化みたいですね。欧米では、すべての国・地域がそうではないとは思いますが、休みなんだから、休むべきという考えのようです。とても真っ当な考え方ですね(笑)。ですが、査読者にそのあたり、理解してもらえなかったのですが、夏休み等長期休暇という、先生が生徒を対面にてモニターできない状態における学習行動分析をしています。今回分析対象としているデータはBookRollにて提供した夏休みの宿題の一部で、必須ではないものですが、行うことを推奨されているものです。だいたい想像がつくように、先延ばし行動が全体的にみえるのですが、それでもクラスによって特徴がありました。夏休みの宿題における先延ばし行動は予想はできますが、だいたいいつぐらいから、どのように学習しているかわかりませんでした。しかし、ラーニングアナリティクスによってこのようなこともわかりますし、この分析を参考にして、2学期の授業などを検討することができます。

今年度はオンライン学会・国際会議が続きそうですが、できることを着実に行い、実践展開ができるラーニングアナリティクス研究を進めていきたいと思います。うちの学生たちもLAK2020に引き続き、がんばって成果を出してくれています。IEEE ICALT 2020のプログラムはこちらに掲載されています。

https://icalt2020.ut.ee/program

#Dirk先生、Keynoteされるのですね。

LAK2020@Cyberspaceにて、うちの学生が発表しました


ラーニングアナリティクス研究では最高峰の国際会議、Learning Analytics and Knowledge 2020にて、学生がPractitioner sectionで発表をしました。Research sectionでチャレンジしたいところですが、ネタから考えて、実践研究の位置づけでもありましたので、まずはPractitioner sectionでやってみて、次はいけそうならResearch sectionでチャレンジしてみたいですね。

今回は当初、フランクフルトで開催予定でしたが、世界的猛威を振るっている新型コロナウィルス感染症の広がりによって、JSET春季全国大会に引き続き、Zoomによるオンライン開催となりました。この状況、しばらく続きそうですね。オンライン開催は今年いっぱいくらいは続くかも・・・

ドイツは大丈夫かな?と思って欧州へ広がる前はマンハイム大学のIfenthaler先生からメールにてドイツの状況を教えてもらっていたので、問題なさそうで、行く気満々だったのですが、感染のスピードはおそろしいものがあり、このような状況となり、残念でした。

発表ネタは

Chen, L., Goda, Y., Shimada, A., and Yamada, M.(2020). Effects of In-class and Out-of-class Learning Behaviors on Learning Performance and Self-regulated Learning Awareness, Companion Proceedings 10th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK20), pp.104-106. Link to this proceedings

これは大学の授業の1つにて、授業内外において、eBook viewer “BookRoll”における学習行動で、どういう学習行動が成績や自己調整学習意識に寄与するのか検証したものです。自己調整学習意識はMSLQを使っています。

Hamada, S., Xu, Y., Geng, X., Chen, L., Ogata, H., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). For Evidence-Based Class Design with Learning Analytics: A Proposal of Preliminary Practice Flow Model in High School, Companion Proceedings of Learning Analytics and Knowledge 2020, pp.13-16. Link to this proceedings

こちらはSIP/AIP加速研究の成果でして、Moodle、BookRollとダッシュボードを使って、高校で授業実践しているのですが、実践へラーニングアナリティクスを展開するために検討すべき観点や流れを整理したものです。ただシステムを使えば、成績が上がるということはなくて、そこに介在するステークホルダーたちがいるわけです。その方々をいかに実践へ参加してもらうべきか、それを整理したものです。まだPreliminaryなものですが、今後、いろいろ整理できればと思っています。

学生ではないですが、私が1つのチームをマネージしています、AIP加速研究の成果としてもポスターを1件発表しています。

Lu, M., Chen, L.,Goda, Y., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Development of a Learning Dashboard Prototype Supporting Meta-cognition for Students, Companion Proceedings 10th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK20), pp.104-106, Link to this proceedings

こちらはAIP加速研究で開発している、メタ認知を活性化させ、学習行動変容効果を期待できるダッシュボード”Metaboard”の開発について紹介しています。うちの学生、陳さんがデザインをし、基幹教育院のLu先生が開発をしました。

今回、開催されませんでしたが、Data Challenge@LAK2020にて採択された原稿もProceedingsとして出版されました。私の学生であるXuくんの他、谷口・島田研(大学院システム情報科学府)の学生さんの原稿も出版されています。

高校での実践で、マーカーの数ではなく、面積が生徒の成績に影響しているのではないかという仮説のもと、それを実証した研究、BookRollと連携した知識マップツール”BR-Map”のログを集約して、受講者の知識マップを生成、さらに類似したマップを自動的にクラスタリングしてくれるシステムの評価、学習者が学習しているタイミングや状況に応じて、授業内容をサマライズした教材を推薦するシステムの評価についても研究として行っていまして、私は評価の観点から関わっております。

Xu,Y., Geng, X., Chen, L., Hamada, S., Taniguchi, Y., Ogata, H., Shimada, A., and Yamada, M. (2020). Can the Area marked in eBook Readers Specify Learning Performance? Companion Proceedings 10th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK20), pp.638-648, Link to this proceedings

Onoue, A., Yamada, M., Shimada, A., Minematsu, T., and Taniguchi, R. (2020). Social Knowledge Mapping Tool for Interactive Visualization of Learners’ Knowledge, Companion Proceedings 10th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK20), pp.632-637, Link to this proceedings

Nakayama, K., Shimada, A., Minematsu, T., Yamada, M., and Taniguchi, R. (2020). Recommendation of Personalized Learning Materials based on Learning History and Campus Life Sensing, Companion Proceedings 10th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK20), pp.649-654, Link to this proceedings

もしご関心がありましたら、ご参照下さいますと幸いです。今後も学生さんたちの学びをよりよいモノにしていくシステム開発研究を進めていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します。