山田研学生、初の国際会議発表が終わりました


つい、さきほど、山田研 初代の学生の1人 唐さんが国際会議発表を終えました。内容は地理データを活用した英単語学習ゲームのデザインと評価で、今回は英単語の能力評価も含めたものになっています。SITE 2017にてFull PaperでAcceptされたものです。もともと緊張しいの学生さんなので、前日もあまり眠れなかったようですが、山田研では英語が一番できる学生で、発音も大変よく、とても良かったです。共同研究者で、在外経験もある合田先生@熊本大学も英語はとてもうまいと言っていました。質疑応答もうまく対応できていました。興味を持って下さった方もいて、うれしかったです。

今年度で修了して、日本の会社で働くことになりますが、修了後もゲームなど、メディア関係の企業に勤めるということで、これまでやってきたことを強みに活躍してもらいたいと思っています。私個人としては、赤堀先生が私たち学生たちに、海外の場で自分の研究をアピールするという学びの場を提供して下さったように、私もその一歩を踏み出すことができ、感動しています。これからも研究指導教員としてはこういう場を学生に提供し、研究成果のアピール、学生の成長の場を創って行きたいと思いました。私もがんばらないと。

本研究は下記のものになります。興味がある方はご参照してくださいますと幸いです。
Tang,F.,Wang,B., Kaneko,K.,Goda.Y.,Okada, Y., & Yamada,M. (2017). Design and Assessment of a Location-based Game to Support English Vocabulary Learning in University, Society for Information Technology & Teacher Education International Conference 2017 (Mar 05, 2017) 337–343 Link to this article

今年度のゼミが終わった:山田研初の修了生


もう3月なんですね・・・なんと、今年は行って初のエントリー。なんか、間が空いちゃいますね。

2月28日、今年度の研究ゼミが終わりました。とうとう私が初指導した学生2名が修了することになり、なんとも感慨深いものがありました・・・

いつものように、Cambridge Handbook of Multimedia Learningの輪読後、研究発表で、修了する2人に、大学院での学び、思い出について発表してもらいました。懐かしい話などありました・・・入学時の話、JSET研究会発表、全国大会、実験、私からの「修論書け〜」プレッシャー、ショートレターの採録、国際会議のアクセプト・・・いろいろありました。
あと、修了生2人による、山田のトリセツ。かなりウケました。まあね、確かに忘れることも多いな…笑。メールは冷たいが、会って話をすると優しいとか。寂しがりや?とか言われたけど、それはあまり自覚ないんですけどね…汗。せっかちだけど、心配されていることなど、よく見てるなあと思いましたね。後輩たちにすばらしいアドバイスも残してくれました。

本当に優秀な2人でしたね。JSETショートレターの採録をされた学生に、国際会議でFull Paperに採録された学生。本当によいモデルだと思います。研究をがんばってやりきり、研究発表をどんどんできるよう、そういう環境を作っていくことが私の役割だなと実感しました。

来年度からも研究生や学生を受け入れます。いい研究にしていけるように、学生たちにも刺激を与えていけるように(私のお師匠さんの赤堀先生のように)、がんばっていきたいと思います。

写真は、いつもゼミに参加してくださっている九州国際大学図書館の坂田さんから、うちの修了生2名に送られた花です。お心遣い、感謝します。ありがとうございました。

今年の研究活動を振り返る


みなさん、今年もお世話になりました。ありがとうございました。

今年もあと数時間で終わります。今年を昨年末に書いたエントリーを読みつつ、振り返ってみますと・・・

論文 2本(2本ともファースト)
日本教育工学会ショートレター 2本(共著)
国際会議 5本(ファーストは3本)

国際会議は4本少なくなりましたが、論文が2本、ショートレターが2本と、がんばったように思います。論文はとても大事なので。論文ネタにするものはあるのですが、なかなか書く時間が取れませんね。来年はもうちょっと論文を書いていきたいと思います。今、投稿中のものもありますし、これから投稿するものも(共著。そろそろ完成?)、今、執筆中のものもあるので、これらに加えて、チャレンジしたいです。国際会議は念願のCollabTechに通ったのがうれしかったですね。SpringerのLecture Noteシリーズになったので。あと、私が初めて研究指導をした修士学生2人ががんばって、ショートレターと国際会議のFull Paperという業績を挙げたのは、本当にうれしいです。

研究業績の他としては大きな研究活動としては・・・・
科研費 基盤研究Bが採択されまして、これまで開発してきたシステムをより発展的なものにしていくために進めております。データはある程度、蓄積されてきたので、分析して、研究成果にしていきたいです。システムデザインの方向性を決めるものになるので、慎重に分析していきたいです。

昨年からの引き続きの教育ビッグデータ研究プロジェクトもますます発展しました。さらに緒方先生が科研費 基盤研究Sを獲得され、末端ながら、心理データとログ、教育評価に関する部分について担当をさせて頂きました。まだまだ続くので、これからが楽しみです。

福岡県立高校におけるアクティブラーニング型授業を推進するプロジェクト、「新たな学びプロジェクト」の成果として、日本教育工学会のショートレターに採択されました。私の学生と糸島高校の井上先生が共同で授業設計をし、実践しましたが、その成果が研究という形でも実を結んで、良かったと思います。来年は今後の福岡県内の学校における、今後のアクティブラーニングの土台になるようなことを、県教育庁、学校と連携して進めていき、研究と実践の往還をし、いいものにしていきたいと思います(研究と実践の往還が重要だと思います)。

ゲームのプロジェクトでも、国際会議が2本と、いい感じに進みました。地理情報を使った英単語学習ゲームなのですが、Ingressをヒントに、地理情報、スポット奪取・防衛、学習する単語と地理情報の関係性、ゲーム性を統合したものができないかと思い、教材開発センターの岡田先生、サイバーセキュリティーセンターの金子先生、熊本大学の合田先生と進めてきました。ゲーム型学習の研究はもうちょっと腰を据えて、共同研究者のみなさんと密に連携して、いいものにしていきたいですね。

今年は国際会議関係で、いろいろお仕事をさせて頂きました。ICCE 2016と2017については、Technology Enhanced Language Learning のSIG Chairを、ICWL2016と共催されたSETE 2016ではワークショップのオーガナイザーを赤堀研の先輩で、National Central UniversityのJie Chi Yang 先生とさせて頂きました。また、ICCEを運営しているAPSCE が発刊してるJournal でありますResearch and Practice in Technology Enhanced Learning 誌のEditorial memberにも加えて頂きました。大変感謝しております。諸先輩方、先達の偉大な研究者のみなさまから私へチャンスを下さったおかげで、今の私があります。ありがとうございます。来年も頑張って、この研究領域を発展させていくよう、貢献していきたいと思います。

大学図書館員向けの教材開発プロジェクトも進んでおります。今年はARG社の岡本真さん、鎌倉幸子さんのご協力を得て開発をした大学図書館員向けの広報教材とAnchored Instructionにインスパイヤされたストーリーベースのビデオ教材の開発を行いました。どちらも形成的評価を終え、データを整理しているところです。後者の分については一部ですが、学会発表も行いました。

来年も、もっとがんばって研究成果を挙げて、実践に役に立つ研究を進めていきたいと思います。データはいろいろ溜まってるので、論文を書くネタはいろいろあるのですが、あとは時間との勝負ですね。来年はラーニングアナリティックス関係や多国間CSCLのプロジェクト再開、産学連携関係が出てきそうなので、気合いを入れてがんばりたいと思います。

みなさんもよいお年をお迎え下さい。

学生の発表が国際会議でAcceptされました


大変うれしいことに、うちの修士学生が投稿していた国際会議 SITE 2017にFull Paperでアクセプトされました!!

Tang, F., Wang, B.,Kaneko, K., Goda, Y., Okada, Y. and Yamada.M. (2017). Design and Assessment of a Location-based Game to Support English Vocabulary Learning in University, Proceedings of SITE 2017, in printing

図書館付設教材開発センターの岡田先生、サイバーセキュリティーセンターの金子先生、熊本大学の合田先生との共同研究になります。岡田先生の学生 王くんが10月にローマで国際会議発表したのですが、地理情報を使った英単語学習ゲームで、王くんは地理情報を使ったゲームを、そこまでプログラミング能力がなくても開発できるフレームワークとその開発ツールについて発表したのですが、そのテストケースとして開発された、うちの学生さんの唐さんがデザインした英単語学習ゲームについての発表です。今回の発表はゲームのデザイン評価の他、能力評価について試行的に行った結果について報告をします。

前の、ショートレターの採録といい、今回のFull PaperのAcceptといい、私が初めて研究指導した学生たちなので、うれしいです。がんばっていますね。うちの学生2名は今、修士論文の執筆中です。最後にすばらしい成果をあげてくれて、大変うれしいです。最後、思い残すことなく、研究をやりきってほしいですし、その後輩たちには続いて欲しいですね!!

メンバーとゼミに関するページを作成しました


山田研究室ができて、今年度で3年目となりました。学生さんもちょこちょこといますし、ありがたいことにゼミの聴講生もいます。あと、英語文献ゼミについては、他の研究室からの学生もいて、非常に積極的な議論がなされています。

なので、このあたりで、一度、内容を整理する意味でも、メンバー紹介とゼミ活動紹介のページを簡単ではありますが、作成しました。

教育工学の研究を発展させ、教育工学を学んだ方が社会で活躍できるように、よいゼミにしていきたいと思います。研究マインドあふれる方、ぜひご参加ください。

山田研究室メンバーとゼミ
http://mark-lab.net/?page_id=1564

ラーニングコモンズのデザインを考える授業、再開します


本日は金沢大学附属図書館で、石川県大学図書館協議会の研修会で講演をしました。いろいろな事例紹介、本学の事例、図書館員さんの育成についていろいろ話してきました。今、私は、学習支援サービスに向けて、図書館員の育成に興味があるので、そちらの方で話をすることが多いのですが、これからもいいものが提案できるといいなと思っています。

金沢大学附属図書館では、空間内のデザイン、サービス内容の検討などいろいろさせて頂きましたが、学生さんの意見も多く取り入れて実現しているものもあります。そのチャネルになったのは、私の「学習環境デザインプロジェクト」という授業でした。この授業は教養科目として行ったものなので、受講者数はそんなに多くはないのですが、少数精鋭で、図書館員さん向けにラーニングコモンズデザインの提案を行い、良いものは実現してもらうことをしておりました。館長にも来て頂きました。

この授業、九大に来て、あまり図書館との連携もできていなかったので、休止していましたが、今年度後期から再開することにしました。課題協学授業で行います。金沢にいた当時と違い、九大では、まさに課題協学など、基幹教育というコンテンツはあるのですが、空間というハードはかなり不足している状態にあります。コンテンツを活用できる土台となるハードが旧来型のレクチャースタイルの授業に最適化されたもになっているので、課題協学や基幹教育セミナーのような授業をするのは正直、適していないという問題があります。そこで、学生自身にも、自分たちが学んでいる学習環境というものに意識を向けてもらい、なぜ今、いる空間が今のデザインになっているのか、これからの学びに適した学習環境デザインとはどういうものか、考えてもらえたらいいかと思います。そこには、教育工学・学習科学の理論も踏まえていく必要もあります。今回は教室空間のデザインとしても、実現可能性が低いので、やめました。実現可能性が高く、学生さんの意見を伝えることが可能な附属図書館のラーニングコモンズを題材としました。

金沢の時は突拍子もないデザイン案も出てきて、非常に面白かったですね。実際に実現されたものもあります。九大の学生からはどういうものが出るでしょうかね。楽しみです。とはいえ、後期の課題協学では、やる気のない学生も多いので、この点も踏まえて、授業運営しないといけないという労力もあるのですが・・・良いものが出てくるといいですね。本学の図書館員さんで、都合が合う方々にはぜひポスターセッションを見に来てもらいたいです。

しいの木迎賓館セミナー室のデザインを懐かしく思う


img_6525今、金沢で開催されている国際会議”CollaboTech 2016″に参加しているのですが、会場が、なんと「しいの木迎賓館」なんですよ。何の縁なのでしょうか・・・私が一部デザインした教室がここにはあるんですよね。まさか、そこに利用者として来る日が来るとは思いもしませんでした。

当時、東京大学のKALSが日本の国立大学で先駆けて「アクティブラーニング教室」を展開しており、全国的にも注目を浴びていました。私も山内先生の産学連携プロジェクトにいた関係もあり、直接的ではないですが、いろいろ状況を聞くことができました。そんな縁もあり、金沢大学でも、大学図書館のラーニングコモンズにも関わっていました。このしいの木迎賓館の教室は、大学図書館のラーニングコモンズよりも前にスタートした記憶があります。確か大学コンソーシアム石川に関わっていたこともあって、旧県庁の建物を再利用するプロジェクトで、教室空間のデザインを担当しました。

東大の事例、先行研究を読んだり・・・一方で、予算の制約があったりで、いろいろ頭を悩ませた記憶が蘇りました。予算はやっぱり頭の痛いところでしたね。教育工学を研究している者として、単に「グループワークがやりやすい、話しやすい」ではなく、何か1つ、理論とか教授法に基づいたデザインをしたいなと思い、知識構成型ジグソー法など、グループの編成を繰り返すような授業デザインが展開しやすいようにしようと思い立ちました。当時、東大も含め、多くのアクティブラーニング教室で取り入れられていた、複数面のスクリーン、グループ形態が組み替えやすい机の導入のほか、8色(9色だったかな?)のいすが用意して、色でグループ編成をしやすくするなど、考えました。

今、そのように使われているのかは全くわかりません(そう期待したいですが、しっかりとした授業デザインが必要になるので、そこまでやる方はなかなかいないでしょうね)。ですが、個人的には今、いろいろ大学図書館関係のお仕事をさせて頂くことになった原点でもあり、ここで国際会議に参加することに何か感慨深いものがありますね。

さて、がんばるか。

後期より2名の学生を受け入れることになりました


もう9月なんですね・・・9月は学会シーズンなので、ばたばたして忙しいのですが、そうこう言っているうちに10月で後期が始まります。授業準備も進めていかないといけません。がんばらないとな。

10月からは修士学生1名と研究生1名の2名を受け入れることになりました。修士の学生は研究生を通じて、修士学生になりました。化学の学習に関して研究をしたいということで、この1年、いろいろ先行研究をレビューし、高校の見学にも行きました。これから具体的な学習環境のデザイン、実装などを進めていくことになると思います。

もう1名の研究生はまだどんな感じなのかわかりません。インフォーマルラーニングに興味があるということでした。プログラミングもできるようですので、どういう研究を具体的にしたいのか、確定し、先行研究レビューをしてもらい、どしどし作っていってもらえるといいですね!研究生の段階である程度、作っておくと、もし修士課程に入学できたら、開発についてはかなり負荷は下がりますからね。英語はどうなんだろう・・・TOEICを受けるように言ってあったのですが、何も連絡がないので。山田研では英語の文献をこってりと読むので、英語ができる子、あるいは、今はできないけど、食らいついてがんばる子でないとかなり辛いことになります。

今、山田研には修士2年の学生が2名おりますが、彼女らに見習って、よい研究をしていってもらいたいと思います。

研究成果がショートレターに掲載されました!!


大変ありがたいことに、私が関わっております研究成果の一部が、このたび日本教育工学会のショートレター特集号に採録されました!!

江藤真美子・井上功一・山田政寛 (印刷中) 高等学校における知識構成型ジグソー法を取り入れたヘルスリテラシー教育の効果, 日本教育工学会論文誌, 40(Suppl.)

松田岳士, 山田政寛, 合田美子, 加藤 浩, 宮川裕之(印刷中). 自己調整学習を支援するセルフ・レギュレータの開発と形成的評価, 日本教育工学会論文誌, 40(Suppl.)

本成果をショートレターへ採録されるに向けてご指導を下さいました査読者の先生方に感謝致します。ご指摘を踏まえ、よいものになったと思います。これらの研究成果がより一層、良い物になるよう、がんばりたいと思います。また、研究の遂行において、ご支援を下さいました皆様にも感謝致します。

1つ目は、高校における理科教育の中で、感染症のトピックを扱い、感染の仕組み、脅威、特徴などを知識構成型ジグソー法と、軽めのゲーム的要素を用いて、効果検証した実践研究です。教育工学会では、近年、医療・看護関係の研究が増えてきましたが、初等・中等教育における健康教育に関する研究は非常に数が少ない状況です。また、初等・中等教育では、健康教育に割り当てられる時間が非常に限られているので、その時間でも効果的な授業方法が求められます。本研究は効果的な健康教育推進に向けて、何かのヒントになればと思います。本研究は県のプロジェクトであります「福岡県立学校 新たな学びプロジェクト」という公立高校におけるアクティブラーニング推進研究の成果で、福岡県教育委員会、Chromebookの貸与にてご協力くださいましたミカサ商事様、パナソニック教育財団様よりご支援を受けました。感謝致します。

2つ目は、今回で3期目に入った、科研費による自己調整学習に関する研究プロジェクトで、これまでICTを活用して、自己調整学習を支援する試みをいろいろしてきたのですが、今回は、1人で学習する状況で、自己調整学習のForethought(特にPlanning)、Monitoringを支援するシステムになっています。今回のショートレターでは、このシステムについて、今後の改修・展開に向けて、どうすればいいか、ヒントを得るべく、評価した結果を掲載しています。今後、改修を行い、本格的な評価をすすめていくことになるかと思います。

今後もよい研究、その成果を実践に展開できるよう、日々、努力していきたいと思います。

このたびはありがとうございました。

反転学習×知識構成型ジグソー法支援システムを発表してきました


DSC_0053-1-1えー、8月末にEuroCALLという国際会議があったのですが、そこで、反転学習×知識構成型ジグソー法支援システムの発表をしてきました!!科研費の成果として、具体的なシステムとして、見せることができて、うれしいです。熊本大学 安浪先生、合田先生、大手前大学 畑先生、東北大学 松河先生との共同プロジェクトです。

Yamada,M., Goda, Y., Matsukawa, H., Hata, K. & Yasunami, S. (in printing). Flip-J: Development of the system for flipped jigsaw supported language learning, Proceedings of EuroCALL 2016

反転学習って、されたことある方はわかると思うのですが、学生さんが事前学習やってこないという大きな心配があって、なかなかうまくいかないという経験ありませんか?学習に対するエンゲージメントを高めることが重要になるわけですが、その方法として、三宅なほみ先生や、そのお弟子さんであります静岡大学の益川先生が精力的にすすめてられます、知識構成型ジグソー法を組み合わせられないかなと思いました。この科研は言語学習がメイントピックなのですが、言語学習については基本的な語彙力とか聴解力などは、TOEICやTOFELなどの資格試験のためにがんばっている学生もいますし、基本的に授業外でできることだと思います。むしろ、授業内では学習言語のアウトプットを促して、先生が学生にフィードバックを与えるような授業の方が、インプットとアウトプットが連携しているので、効果的な授業ができるのではないかと思っております。

とはいえ、知識構成型ジグソー法をするにも、しっかりとデザインしないといけませんし、ちゃんとデザインしても、課題をやってこない学生もいますし、それが出てくると、エキスパートグループの活動、ジグソーグループの活動に強い悪影響を与え、教員は授業冒頭にグループの再構成をしたり、大変な負荷がそこでかかります。また、学生にとっても、ちゃんと事前課題をやってきた学生は、しっかりやってきた学生とグループを組んで、学習をしたいでしょうし、やってこなかった学生と組むことで、グループの学習成果のクオリティーは悪くなります。ちゃんと事前課題をやってきて、しっかり授業を受けている学生の授業満足度にも影響を与えるでしょう。

また、教材も、教員自身で用意したものを利用することが多いとは思いますが、今はYouTubeなどで、クオリティの高い教育コンテンツも無償で公開されている世の中となりましたし、実際の生の外国語を聞くことができる、優れた教材とも言えます。

Flip-J_Moodle_pluginを追加_1これらをまるっとひっくるめて、教員を支援できないか?と思い、デザイン・開発されたのが反転学習×知識構成型ジグソー法支援システム”Flip-J”です。Moodleのプラグインとして開発を行いました。現在のところ、Moodle 2.9.Xにて動作します。

 

Flip-J_エキスパート活動課題割り当て・確認_1教員は授業シナリオと呼ばれる、1つの授業の流れ、課題、グループ数、グループ内に包含されるチーム数、事前課題などのデッドラインの設定など作成していきます。教員が作成した教材(PDF、mp3、mp4)やYouTube、Voice of AmericaのURLを教材データベースに登録することもできます(YouTubeについてのみ、学生に見させたい部分のスタート時間の指定ができます(終了はYouTubeの仕様上、できませんが))。

 

Flip-J_自動エキスパートグループ編成_1Flip-J_ジグソーグループ編成_1エキスパートグループの割り当ては自動設定ボタンを押すことで、ランダムに割り当てられます。エキスパート・ジグソーグループ、それぞれのグループ内の議論を行うチームは、事前課題の提出をもって、自動生成されます。教員は未提出の学生についてのみ、対面授業の最初に手動で割り当てたらいいだけになります。インターフェースも、ドラッグ&ドロップでメンバー変更できたり、あたらしいチームを生成するなど、簡単にできます。使いやすいインターフェースで私自身も感動しております。もちろん、自動編成されたグループ、チームも、教員にとって都合が悪いと感じた場合は、手動で編集することも可能です。

 

Flip-J_screen_1_1

 

学生側も、このタイプの授業の流れがわかるように、アロー型のコンテンツ配置がされており、課題提出期限も表示されているので、いつまでに何をするのかわかるようになっています。議論はMoodleのフォーラムプラグインを使っていましたが、形成的評価時に、学生と教員からの評判がすこぶる悪く、使えないということで、次のバージョンではFlip-J内でテキストチャットで行うことができます。この議論も含めて、事前学習にすることもできますし、チャットは使わないで、対面にして、課題提出をFlip-Jで行わせることも可能です。完全オンライン型でも、対面とのブレンド型でも可能です。

また、一度作成した授業のシナリオは再利用することが可能です。言語系の科目だと、複数人の先生が内容的にはあまり大きく変わらない授業を展開していることが多いですよね。また、次年度でも同じデザインの授業を行うことも多々あると思います。最初から1つ1つ設定していくのはしんどいですよね。その場合は、自分のコースを選択した後、シナリオを複製するボタンを押すと、複製したいシナリオを選ぶ画面に移動します。複製したいシナリオが複製され、詳細を再設定していくことになります。

EuroCALLではプロトタイプ版の形成的評価について発表をしましたが、今年の日本教育工学会全国大会@大阪大学では、次のバージョンについて、チャットなど改修を行いましたので、その開発について大手前大学の畑先生からご報告します。9月18日9時からですので、ご興味のある方はお聞き下されば幸いです。

知識構成型ジグソー法を取り入れた反転授業支援システムの開発
畑 耕治郎,山田 政寛,合田 美子,松河 秀哉,安浪 誠祐

どうぞよろしくお願い致します。