九州大学 山田研究室

SSCI論文誌に採録されました!〜「どうしてあの新人は成長が早いのか?」職場における9か月の追跡でわかったタイミング

2025年11月25日

やりました!新入社員の成長過程に関する調査を行った結果について、Sage Open誌(SSCI, Impact factor=2.0, Google Scholar Matrix #5 in Social Sciences (general))に採録されました。合田先生、おめでとうございます。私も共同研究として、関わりました。

Goda,Y., Sudo, K., and Yamada, M.(2025). First Steps in the Workplace: Why Do Some New Graduates Grow Quickly While Others Advance Gradually?, Sage Open15(4). https://doi.org/10.1177/21582440251394373

本研究では、初めて社会に出た新入社員が、どのように成長していくのかを9か月間調査し、成長の速い人とゆっくりな人の違いを調べました。対象となったのは、企業に入社した新卒社員89名で、毎月25問の振り返りレポートに回答し、自分の仕事の進め方やミスの状況、上司からのサポート、仕事への意欲などを記録したものです。

分析では、社員の成長度合いを「レベル1〜4」の段階(「ゆっくり成長するグループ」とか「早く成長するグループ」)で分類し、最終月に比較もしています。結果では成長が速い社員には共通する3つの要素があることや、忙しい時期でも仕事を楽しみながら、新しい業務に挑戦しようとする姿勢が見られる状況など、いろいろ見えています。特に、入社後の成長の分岐点がいつになっているのか、この時期にやるべきこと、支援の有用性の受容など、いろんな要因があることなども見えています。

結果から、企業にとっては新卒社員にとって重要な環境とは何か、その環境デザインに対する示唆も示し、若手社員が安心して力を伸ばせる職場づくりに役立つ知見かなと考えています。最近、新卒で採用しても、離職率が高いというお話を耳にします。いろんな理由で会社を辞めるとは思うのですが、成長する社内環境の改善という点については研究知見が活用できるんじゃないかな?と感じています。

オープンアクセスになっていますので、ご興味ある方はぜひお読み下さい。

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