九州大学 山田研究室

一つの節目:BEATが終わる

2013年01月29日

私がお世話になっていた、東京大学 大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)が、この第3期(でしたっけ?)で終わるとのことです。今も、別件で東大に行く機会があり、山内先生とお話させて頂く機会があり、大変残念ではあるのですが、山内先生のことですから、なにかおもしろい、新しいことをスタートさせていかれるのだと思います。「次、何があるんだろ?」という期待感も同時にありますね。この日本で、教育工学・学習科学の分野が、いろんな研究分野の人たちに着目されるよう、広がるきっかけとなった大きなプロジェクトだったと思います。今、1つ、このプロジェクトの役割を終えたと考えればよいのでしょうか?

私は2006年から2009年の第2期に特任助教としてお世話になりました。中原淳先生からお声掛け頂き、「なりきりEnglish!」、「Conomi+」、BEATではないですが、山内先生の科研費の研究「IDO」の研究プロジェクトに関わりました。特にシステムデザインについて担当しましたが、「Conomi+」から全体的なマネジメント的な部分も経験しました。私は博士課程の2年生の頃から特任助教として関わってきたのですが、博士論文の執筆の中、東大のプロジェクトをやっていました。大変でしたが、本当に勉強になり、充実した時間でした。北村先生@東京経済大学、重田先生@大総センター、松河先生@大阪大学との出会いもありました。山内先生の博士課程学生の森玲奈さんも重田先生、松河先生、私と同世代で、77年世代が多かったイメージです。同じ世代、近い世代の方が多く、楽しかったです。スタッフの佐藤さなえさんにも良くして頂きました。私は事務作業も苦手で、細かいことも覚えられず、お手間をお掛けしていました。それなのに、何回も親切にご対応頂きました。ありがとうございました。

BEATのプロジェクト
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/projects/index.html

メーリングリストのBEATINGの編集担当もしました。私は細かい仕事が苦手で、北村先生に細かいチェックをしてもらって、Wordのコメントや修正で真っ赤になったことも懐かしいです。BEATINGは本当に影響力があると思いますね。教育工学・学習科学で扱う理論や研究、実践について、これから教育工学を学びたい学生さん、企業の方、現場の先生など研究をされていない方へわかりやすく説明をし、広く教育工学・学習科学の知見を広げる大きな役割を担ってきたと思います。今、図書館関係・ラーニングコモンズ関係の研究や仕事もするのですが、ここでも、BEATINGをリソースにして、学習科学・教育工学を勉強された職員さんもいて、感動しました。同志社大学の井上真琴さんのご講演では、毎回、このBEATINGが出てきますね。

BEATセミナーの運営もしました。多くの人が「聞きたい!」と思って貰えるような内容を考えるのは、これから何が来るか?と考えるので、勉強になりました。今でも覚えているのは、

BEATセミナー「未来の教育のために学校と家庭ができること – フィンランドと日本の対話」
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/seminar/033.html
BEATセミナー「教育工学25年の歴史から考えるデジタル教材の未来」
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/seminar/037.html

この2つのセミナーには思い入れがありますね。1つめはフィンランドから基調講演者を探して、交渉することが仕事でした。基調講演者のUniversity of HelsinkiのProf. Seppo Tellaを招待しました。いろいろなご縁から回りました。ここは私が修士の頃に調査で関わりました、iEARNの関係の方で、フィンランドの方から回り、Tella先生をご紹介頂きました。偶然にも私の研究分野でも研究されていていました。メール上で話もあって、うまく交渉もいったと思います。今もソーシャルメディアでつながっています。

また2009年のBEATセミナーでは私の師匠、赤堀先生が基調講演に立たれました。東工大を退任される最後の講演に赤堀先生をお招きすることができたのは本当に弟子として、感動しました。うれしかったです。赤堀先生、赤堀研究室で行ってきた教育工学研究の総集編という感じでした。フロアディスカッションにも早稲田大学の向後先生から、「赤堀先生が東工大ご在籍最後の講演であれば、よろこんで」とおっしゃって頂き、ご参加くださいました。

いろいろ思い返すことがあり、東工大に引き続き、今でも続く本当に刺激になる人たちとの出会い、自分に足りない部分を成長させてくれた場がBEATでした。今も、北村先生や松河先生とは一緒に研究をしています。ここまで私が、なんとか研究をし、続けられているのも、BEATの経験がとても大きいです。BEATの経験なくして、今の私はないでしょう。博士後の私を支えてくれたのはBEATです。私が抜けた後も、御園先生(現 島根大学)が引き継いで、BEATの発展に貢献してくださいました。そして、今も藤本先生、高橋先生という非常にすばらしい先生ががんばってられます。BEATは終わっても、今後もこの研究コミュニティは続いて欲しいと思いますし、これからもこのコミュニティを習い、私も学習し、研究していきたいと思います。

東工大の赤堀研究室に続き、BEATというすばらしいキャリアを自分に刻むことができたことは本当にうれしいと思います。山内先生、中原先生に感謝致します。ありがとうございました。これからも宜しくお願いします。

3月23日のBEATセミナー、参加します!

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