挑戦的研究(開拓)に採択されました

ちょっと自分でも驚きました。まさか通るとは・・・採択率は1桁と言われる、かなり狭き門。萌芽も10%前半と言われています。審査員のみなさま、ありがとうございました。大変感謝しております。4年間という申請なのですが(実は3年で出していたと思っていました・・・汗)、「教育学とその周辺領域」において様々な研究へ展開していける大きな種になる研究をしていきたいと思います。

きっかけは、ラーニングアナリティクス研究をしていて、疑問に思ったことがあって、それをやってみたいと思って、書いたのです。ラーニングアナリティクスって情報系×教育系・・・といっても教育工学や認知科学・認知心理学の研究分野とされているのですが、ラーニングアナリティクスで見えること、わかることって、結局、人がラーニングアナリティクスの結果、見えたものに対して、どう思うか、どう考えるかなんだろうと思ったんですよね。

これまでラーニングアナリティクスで、共同研究者の島田先生、谷口雄太先生、Lu Min先生とも研究してきましたし、知能情報学の研究者チームが開発した、かなり高度な情報技術を活用し、学習の改善につながることを期待して、ラーニングアナリティクス基盤を開発してきました。特に谷口雄太先生、Lu先生とはこちらが考えたデザインを踏まえて、実装を検討して下さり、開発をしていただいておりました。そういうツールが実際の授業で使われて、学生さんたちの授業の理解度があがるといいなとか、いろいろ期待しているわけですが、ふと、「学生さんたちは、自分たちの学習行動データを見て、どう思うんだろうか?どうするのだろうか?」と思ったんですよね。

それを考えるに当たって、1つのキーワードが「教育データリテラシー」というものです。データリテラシーという言葉はニュースでもいろいろ出てきますので、わかると思うのですが、教育データリテラシーというのは、ただデータを分析する能力とか、データを解釈する観点とか、分析をするためのプログラミングスキルといったことだけではなく、それらのデータを活用して、どう学習環境を改善するかということを考え、行動できるものまで含むものです。ということは、これまでのデータリテラシーを教育に適用するだけでは不十分と考えられます。教育データリテラシーについては2019年の10月にカナダのケベックでUNESCOのEduSummitにおける、ラーニングアナリティクスグループにおいて議論はしたのですが、あまり深く議論できなかったです。扱う話題が多岐にわたったので、1つのテーマを掘り下げるというのは難しかったです。その議論プラスアルファについてはETRD誌に論文が載ったので、ご覧ください。

このあたり、ラーニングアナリティクス研究は大きく寄与できると思いますが、この教育データリテラシーというものが育成され、その先にある教育、社会はどういう姿をしているのだろうか・・・と思うと、情報系、教育工学系だけで議論していてもいかんなと思ったのです。さらに研究レベルでも国内外ではあまりされていない状況で、研究自体進めることもほとんどなかったのではないかと推測しております。

今回は「教育学領域と情報学の融合による教育データリテラシー習得モデル構築への挑戦」というタイトルで研究を進めていきたいと思います。情報系では本学の島田敬士先生に入っていただきました。教育工学系は私の他、合田先生(熊本大学)、そして、教育社会学より、基幹教育院の元同僚でもあり、現在は本学大学院人間環境学府にいらっしゃる木村拓也先生、教育哲学から、同学府、藤田雄飛先生にご参画をお願い致しました。もし採択されてかったとしたも、教育社会学や教育哲学からデータ駆動型の教育・学習環境というものについてどう映るのか、興味あります。

今回は採択していただきまして、大変感謝しております。小学校、中学校ではGIGAスクールが進み、子ども1人に1台の端末時代になっていきます。学習支援システムに触れる機会も増えていきます。その際に必要になるのが教育データリテラシーだと思っております。研究の発展をますますしていきたいと思っております。

これからもよろしくお願い致します。