2006年かな?私が博士2年の頃から中原先生@東京大学が主導されてこられたベネッセ先端教育技術学講座のプロジェクト「なりきりEnglish!」の研究成果がやっと論文となりました。採録です。長かった・・・
Yamada, M., Kitamura, S., Shimada, N., Utashiro, T., Shigeta, K., Yamaguchi, E., Harrison, R., Yamauchi, Y., Nakahara, J. (2011) Development and evaluation of English listening study materials for business people that use mobile devices: A case study, CALICO Journal, 29(1), in printing
出版が2011年??って言う人もいるかもしれません。ええ、出版まであと1年半ほどですね(笑)忘れた頃に校正チェックがきて、出版です。その頃には所属とか変わっている人もいるかもしれないですねぇ。
なりきりEnglish!は企業で働く方を対象にした、モバイル向け英語リスニング教材です。ポイントは「あなたが今、または近い将来に耳にする英語を教材化する」ということでした。そのために企業の人事部にストーリーを作るためにヒアリングしたり、ストーリーを英語化したり、それらを元に開発し、評価し・・・とかなり大規模なものでした。プロジェクトに関わった人も2年で20名を越えるというものでした。私は設計・開発の部分に主に関わっていました。
前にも書いたのですが、このなりきりEnglish!がなければ私は東大で働くことは無かったですし、今のような研究コミュニティーにいることはなかったでしょう。この「なりきりEnglish!」はなんとしてでも論文化したい!と思っていました。不採録になったこともありましたが、粘り強く書いてましたね。特に北村先生@東京大学と2人で論文ストーリーや構成など、いろいろ見直しをしていました。
これで一区切りできました。しかも国際論文誌です。CALL研究者でしたら、結構読まれる国際論文誌だと思います。なんか私はすがすがしい気分です。私が東大に入るきっかけになった重要なプロジェクト。私の中でこれで「なりきりEnglish!」は終了です。
本プロジェクトに関わって下さった皆様、ありがとうございました。特に論文執筆も含めて、最後までおつきあいくださった北村先生には感謝致します。
なりきりEnglish! これにて終劇!!
(この先、何かビジネス展開、研究プロジェクトがない限り)
なりきりEnglish!!
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/projects/index.html#Narikiri
#でもね、CALLの研究をしてきた私から見ると、手間やお金はかかったけど、
#ここまでしっかり作り込んで、評価したESPのCALLの研究って本当に少ないんですよ。
#ヨーロッパは増えてきていますが。あそこは言語教育が日本以上に重要視され
#ていますし、EUが言語教育研究プロジェクトに出す予算が何千万~何億レベル
#ですから、日本以上にやれることはいっぱいあるんですよ。
#その日本の限られた中でやったプロジェクトとして、かなり良いものだと私は思います。
#効果あって当然じゃんなんて言う英語教育者もいるけど、検証もしていないのに
#そんなこと言ってるんですから、「当然」なんて言えるわけないんです。
#まあ、人の心理を扱う教育において「当然」なんてことは絶対にあり得ない
#し、ツールや教材を与えて高い効果を出すなんてことは簡単にはできるわけ
#がない。そんな簡単だったら、みんな既にやってますって。
#仮にそういうことを言う人がいたら、それは何にもわかっていない人です。