九州大学 山田研究室

ソーシャルメディアに関する授業、はじめました

2011年04月27日

今学期からソーシャルメディアの利用を中心としたCMC(Computer-Mediated Communication)に関する授業を始めました。

場所は本学に出来たラーニングコモンズのオープンスタジオです。受講者はとても少ないのですが、やる気のある学生が受講してくれました。1教養の授業なので、学生からは単位を楽に取ることが目的とされてしまいますので、仕方ないことだとは思っています。裏番組に強烈なのがあると、やはり負けちゃいますね(笑)

授業スタイルは楽しい中にも考えること、将来に結びつくように、対話式の授業をしています。ほんとに少ないので、ゼミのような感じです。コンピューターはもちろんのこと、ホワイトボード(プレゼン用)、机の上にマットのようにひくことができるホワイトボード(メモや自分で考えを整理するため)、プロジェクター(知識伝達のため)に使っています。授業資料はポータルにアップして、受講者がいつでも参照できるようにしています。プロジェクターも無線で接続でき、4つのコンピューターまで同時に画面表示できるものを導入しているので、今後、必要に応じて使って行きたいですね。
本学は地方大学であるだけではなく、山にある大学で、地理的に不利なことが多いと私は本学に来て実感しています。そのような環境下で、世界の人たちと様々な思い、気持ち、考えを共有し、成長していくことができる機会をソーシャルメディアは作ることができるように私は思います。ですが、それも使い方次第。CMCツールの特徴、使う人数だけではなく、本人がどう使いたいのかというところが重要だと思います。その中には心理的な要因も強く関わってきます。私の授業はCMCツールの紹介や使用事例を紹介するだけではなく、心理的な要因なども学習し、受講者の将来にプラスになることがあればと思います。
受講者のうち1名は4年生で今年度で卒業をします。4年生で私の授業を受けてくれるとはうれしいですね。卒業後に役に立てばと思います。2年生の子もいます。これから将来のこと、やりたいことを考えていく大切な年に入っていきます。その中でソーシャルメディアなどのCMCのメリット・デメリット、心理的要因を理解して、有効利用してもらえればうれしいです。
しかし、この写真のように対にしてホワイトボードを設置すると、興味深かったのは、書いている途中にお互いに書いていることを参照するんですよね。これはクイズ番組で何か競争させるときにボードをチーム間で対にして設置して、お互いの進捗を把握させますよね。学習においては「あれ?こういうことじゃないのか?」とか、「あのように書けばいいのか」とか、お互いに学ぶ機会になると思いました。学習内容だけではなく、いろんなことを無意識に学ぶことができるのもツールの設置で大きく変わるなーと思いました。
協調学習環境のデザインでは「可視化」というのが重要な要素となります。その可視化でも、何を意図とした可視化なのかというところも重要ですよね。私自身、勉強になりました。
今後、Twitterも使ってやっていきます。他の皆さんも、もし内容をご覧になって、お時間がありましたら、Twitter上のトークにもお気軽にご参加頂けると幸いです。

協調学習環境、特にコンピューターベースの協調学習環境(CSCL)のデザインについてはこの論文が詳しいです。

中原淳・前迫考憲・永岡慶三 (2002) CSCLのシステムデザイン課題に関する一検討 : 認知科学におけるデザイン実験アプローチに向けて, 日本教育工学雑誌, 25(4), 259-267
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003026435

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