今年もありがとうございました


もうあと1時間ちょっとで2015年が終わります。長かったようで、短かった1年。九州大学に着任して3年目が終わろうとしています。ちょうど2013年1月1日着任だったんですよね。今年もみなさんに大変お世話になりました。ありがとうございました。

2015年を振り返ってみると、大型の研究プロジェクト「ビッグデータの教育分野における利活用アプリケーションの研究開発」が本格的にスタートし、微力ながら関わっていくことになりましたし、福岡県新たな学びのプロジェクトにも関わることができました。新しい経験をし、学びを楽しむことができました。自分主導の研究プロジェクトとしては今年度から挑戦的萌芽研究のご支援を頂き、学習ゲームに関する研究をスタートしました。

研究業績としては・・・
・論文は・・・なんと1本(泣・・・しかもファーストはなし)
・国際会議 9本(うちファーストは2本)
・書籍 1本(初の編著)
でした。論文は1本でしたが、インパクトファクターがあるものなので、とても良かったと思います。あと、国際会議もファーストは9本中2本でしたが、2本ともAwardを受賞するという、大変ありがたいことではありますが、ちょっと出来過ぎな感じがしています。山があれば谷がある。谷が来るのではないかと不安ではあります。

私がファーストの論文は採択は既に決まっているのですが、出版は2016年なのでカウントはしていません。2016年は論文をもっと出していかないと行けませんね。まだまだがんばりが足りません。11月にAECT Annual Convention@Indianapolisに参加してきましたが、アメリカでがんばっている中国人・韓国人若手研究者はとても積極的に国際会議で発表し、論文をどんどん早いサイクルで出しています。ポスドクも、いつ雇用期限が終わるかわからない中、とにかく前を向いて、研究業績を挙げています。日本の教育工学研究者(特に若手)はもっとこういう会議に出て、刺激を受けて、どんどん国際的に自分の研究業績を発表し、研究領域の発展と教育改善に貢献しないといけませんね。私はホントまだまだです。全くダメだなと。それを痛感して帰ってきました。自分を奮い立たせる良い機会になります。

「ビッグデータの教育分野における利活用アプリケーションの研究開発」では、関わっているメンバーがみんな、がんばってファーストで国際会議や論文を書いていくので、とても刺激になります。情報工学系の研究者の研究成果プロダクティビティには頭が下がりますね。しかも、関わっているみんなが協力して、成果を上げていくというのはすばらしいと思います。みんなが投稿する国際会議や論文(特集号などデッドラインがあるものなど)を選んで、がんばっていく感じです。このような自分を成長させる、よい機会を頂いたので、精一杯、がんばりたいと思います。

来年も実践に活きる研究ができればと思っています。来年も宜しくお願い致します。

教育工学選書2「インフォーマル学習」が出版されました!!


IMG_4037-e1450808012816-225x300とうとう出ました!!感激です!!教育工学選書2「インフォーマル学習」が発刊されました!!山内先生@東京大学にお声かけ頂きまして、山内先生と編者をしました。内容は、近年、国内外で増えてきているインフォーマル学習に関する研究や実践の動向、研究の方法や方法について、職場学習、ワークショップ、サービスラーニングなどのトピックに沿って、整理しています。本書の執筆にご協力くださいました、美馬先生@公立はこだて未来大学、荒木先生@産業能率大学、河井先生@立命館大学、佐藤先生@愛知淑徳大学、森先生@帝京大学に御礼申し上げます。ありがとうございました。また、私の章では、緒方先生@九州大学、毛利くん(緒方研の博士学生さん)@九州大学、松浦先生@徳島大学、後藤田先生@香川大学より画像提供のご協力を下さいました。ありがとうございました。また編集作業では、浅井さん@ミネルヴァ書房に大変お世話になりました。ありがとうございました。みなさんのご協力があって、この本が出版できたことに感激しております(涙)。

私はICTとの関連について説明をしていますが、スマートフォンなど、手軽なモバイル端末が広がり、インフォーマル学習環境が広まっています。ICTとの関係で言うならば、授業外の学習状況(ログ)を把握することが可能となったというのはとても大きいことではないでしょうか。学習者が身から話さずに持っているスマートフォンなどのモバイル端末を活用したインフォーマル学習の広がり、そしてログを活用して、インフォーマル学習のデータ分析が可能になったことで、これからますますインフォーマル学習の研究が発展していくことが期待されます。これからが楽しみですね!!

もし、本書につきまして、ご興味がありましたら、ぜひお手にとり、ご一読ください。どうぞ宜しくお願い致します。書店には来年に出るそうです。

福岡県「新しい学びのプロジェクト」関係の発表を行いました


去る12月12日、現在、文部科学省から指定を受けて行われてる、公立高校におけるアクティブラーニング推進プロジェクトであります「福岡県 新しい学びのプロジェクト」ですが、私が関わっております糸島高等学校での実践につきまして、日本教育工学会研究会@新潟大学にて報告をしました。

江藤真美子, 井上功一, 山田政寛 (2015) 高等学校における反転授業とゲーミフィケーションを取り入れたヘルスリテラシー教育の意識面に対する効果, 日本教育工学会研究会15-5, 49-55

生物×健康教育を掛け合わせた授業で、反転学習、知識構成型ジグソー法にゲーム的な要素を入れて、短期間ですが、実践で行いました。反転学習ではNHK高校講座「科学と人間生活」を事前学習教材として使用しました。ICTの利用では、GoogleのChromebookを使用しました。持ち帰りで対応することも考えましたが、自宅に無線の環境がない家庭もあることから、放課後などでChromebookを使用して学習できる環境を学内に構築し、そこで事前学習ができるようにしました。学習管理システムとしてGoogle classroomを使用しました。

主観的な効果で事前事後と比較すると、今回、計測対象となった、健康管理に関するリテラシーや理科に対する興味関心について伸びていることがわかりました。また、反転学習の負荷が気になるところではありましたが、見てくる動画が3,4分程度であり、動画を見て、穴埋め形式と自由記述の課題を行ってくるというもので、動画さえしっかり見れば出来る課題にはなっているので、そこまで重くなかったように思います。

さて、これからですが・・・情報端末の導入、無線LANの利用への障壁が大きいので、ここをなんとかしなければなりませんね。また民間のクラウド利用が全国的にも教育現場ではできない自治体がほとんどで、福岡県もその1つではあります。このあたりは苦労しました。福岡県も民間のクラウド接続が禁止されていますので、Googleの利用はできません。ただ、糸島高校は研究指定を受けているので、特例で、かつ民間クラウドの利用可能性を検討する意味合いでも、許可を受け、実践ができました。ですが、これはずっとは続きません。

端末もChromebookなど安価な端末も出てきましたし、タブレットもiPadのように高機能の端末を用意できればいいでしょうけど、それだけ高価な端末になりますので、なかなか手が届きません。教育現場の声も、タブレットの代名詞のように”iPad”という声が聞こえますし、iPadがいいという声もあります。しかし、自治体が持ち得る財源には限りがあります。安価なWindows搭載の10.1 inchのタブレットやAmazonからも安価なタブレットが出てきましたので、これらまで採用の範囲が広がれば、教育現場への情報機器類導入が進むのではないでしょうか?もちろん、前提として、教育現場の先生方がICT活用に積極的であることになります。私は福岡県はかなりICTアンチの教員が多いんだろうなと思って、今回の実践に関わり、覚悟はしていたのですが、意外にそうでもなく、さまざまな活用アイデアを出される先生方も多かったです。かなり驚きました。また、他校の先生の声を聞いてみると、意外に民間クラウドの利用に積極的な声も多かったです。

この実践は、福岡県の現状を考えると、かなり先端的なものになりますが、今後、ICT活用、クラウド活用が見直され、この動きが広まっていけば、今回の実践で培ったことが活かされるのではないでしょうか。これからに期待です。