九州大学 山田研究室

Social Softwareにはプラスαが必要

2011年08月08日

ブログやSNSなどでは、そこで話し合われているテーマについて関心がある人が集まり、活発な意見交換や情報交換がなされます(ROMな人も多いのも事実ではありますが)。その場でのインタラクションに注目して、教育利用を考える人も少なくないと思います。

このブログでもソーシャルソフトウェアをテーマにあげて書いていることですが、ソーシャルソフトウェアを教育利用する場合は目的を考えなくてはいけません。この話はICTを教育利用する場合はまず考えなければならないことなのですが、流行りものについてはついこの点を見失いがちだと思います。

ブログやSNSというのはインフォーマルな場で使用されることが多いものです。インフォーマルな場故のコミュニケーションがあり、情報があります。このようなツールを教育利用する場合、学習と思わせないように活発的に使用してもらう工夫が当然ながら必要になりますが、それを乗り越えた後も1つ壁があります。それはブログやSNS上の学びにおける学習目標にもよるのですが、その場で交わされるコミュニケーションの価値や気づきを与える仕組みが必要になってきます。

携帯電話でも同じですが、学生に携帯電話向けソフトウェアを与えても、最初はちょっとやってみるかもしれませんが、継続的に学習することはほとんどないでしょう。前にも書きましたが、ツールだけ与えても、ダメなのです。SNSやブログもそうだと思います。先日の教育工学会でのシンポジウムであった話ですが、SNSを基にしてSNSを活発的に使用するためのモジュールが重要になります。

企業内で使用する場合は、情報共有だけではなく、企業の組織について問題を出させるためにブログやSNSを使用することもあるんだそうです。企業内で使用する場合、ただコミュニケーションを社員同士でさせるだけでは不十分で、社員同士で行われるコミュニケーションから重要な情報を抜き出すためのプロセスが重要になるということです。ソーシャルソフトウェアだけでは不十分ということでした。このことは大学等の教育現場でも同じことを言えるのだと思います。

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