教育工学の研究をしたい方へ



山田研究室 受験希望者のみなさん

ここでは、教育工学に関心を持ち始めた方、実際に研究を進めたい方向けに教育工学の紹介をした上で、山田研究室で行っている研究山田研究室の受験にあたって考えて頂きたいことを整理しています。また教育工学全般、山田研究室で研究を行っていくために必要となる基礎的文献や論文誌の紹介をしています(パスファインダーのようなイメージです)。このページをご覧になられた方は、現場の授業改善に関心が高い方、eラーニングなど情報通信技術(ICT)を授業に活用することに関心がある方、または単に「教育工学」って何だろう?と疑問に思われた方もいるかもしれません。簡単に教育工学について説明をすることから始めます。

教育工学は「教育改善のために実践的に貢献する学際分野であること, 教育成果を上げる技術・工夫を体系化していくことを目的とした学である」とされています(日本教育工学会, 2000). 最近の定義では, 教育工学コミュニケーション学会(Association for Educational Communications & Technology: AECT) 2008年の定義であり, 「適切な工学的プロセスとリソースを創造し, 利用し, 管理していくことによって, 学習を支援(facilitating)し, パフォーマンスを向上させるための研究と倫理的実践である」 (Richey, 2008)とされています. ただ、実践を行うのではなく、研究フィールドとする場面(文脈)において、ある程度の汎用性を持たせたモデルやシステムを導き出すことが大きなゴールになります。

これまで教育工学研究で扱われてきた行動主義(刺激と反応の関係に基づく、外部から観察できる人間の行動こそを評価の対象とする考え方)、認知主義(人間の内面で起こる情報処理プロセスに基づいて教育・学習プログラムを最適化する考え方)、社会構成主義(既に人間が持っている知識構造を他者や人工物との相互作用することで、再構成すること、そのプロセスが学習であるという考え方)といった関係諸理論を踏まえ、様々な研究や実践がされてきました。実践に帰することが今も昔も変わらない教育工学の目標ではありますが、実践への展開をゴールとしつつも、実践展開の前段階の研究も重要となります。それは教育工学研究において、何かしらの処遇、モデル、システムを実践に使い、普及していく場合、それらが本当に有効なのか検討する必要があります。それを実験的に実験群・対照群を立てて、効果を比較する場合もあれば、実践の場で、理論に立ち戻りながら開発したモデルや処遇、システムの改善をし、実践に合う形にしていくというアプローチもあります。

教育工学は、様々な研究分野の応用研究分野になります。教育工学の基礎研究分野としては、教育学だけではなく、教育心理学、学習科学、人類学、統計学、ICTの活用に関心がある方は情報科学も含まれます。近年では脳科学で扱われる研究手法を活用する研究もあります。各基礎研究分野で扱われる理論や研究手法を活用していきます。これらの研究知見を参考にするためにも国内だけの研究知見だけでは不十分です。世界各所で教育工学に関する研究は進められております。そのため、英語の文献にあたることは必要不可欠です。そのため、英語も必要となります。

研究のフィールドとしては大変幅広く、幼児教育から生涯教育・学習まであります。企業内教育、医学教育も1つ注目されている分野でもあります。そのため、近年、教育工学に関心を持つ方の背景も多様であり、学生や学校の先生だけではなく、企業等で人材育成に関わる方、大学職員でFD・SDをされる方や医学教育では医師や看護師の方でも関心を持つ方が増えています。

参考文献

  • 赤堀侃司 (2002). 教育工学への招待ー教育の問題解決の方法論, ジャストシステム, 東京
  • 日本教育工学会 (2000). 教育工学事典, 日本教育工学会(編), 東京
  • Richey, R. C. (2008). Reflections on the 2008 AECT Definitions of the Field,TechTrends, 52(1) 24-25
  • 坂元昂, 岡本敏雄, 永野和男 (2012). 教育工学選書1 教育工学とはどんな学問か,
    ミネルヴァ書房, 京都

それでは具体的な話を、よくある質問に回答する形式で進めていきます。

Q:具体的にどんな研究があるのでしょうか?
実にいろんな研究があります。教育現場や企業内でどのようにICTが教育に活用されているか調べるような、調査研究であったり、eラーニング, デジタル教材やCSCL環境の開発, 授業改善手法を開発するといった開発研究, 既存のシステムなどを活用し、新たな実践を行い、効果を検証する実践研究というものがあります。研究方法も、質問紙、テスト、ICTを活用した研究であればログなどを使用した量的研究から、自由記述、インタビュー、観察など行う質的研究があります。またこれらの研究方法をブレンドさせることもあります。具体的に知りたい方は国立情報学研究所が運営しているCiNiiで、「日本教育工学会論文誌」で検索を行うと、最新の1年分よりも前の論文については無料で読むことができますので、参考になさってください。

Q:山田研究室ではどういう研究を行いますか?
山田研究室では学習環境デザイン、特に、社会構成主義的学習観に立脚した、情報通信技術(ICT)を利用した協調的な学習環境デザイン研究(CSCL)を中心に進めています。教育現場・学習の場に協調的な学習を行うためにどのようにICTを導入すべきかというテーマから、協調的な学習を支援するためのシステム開発と評価、その普及、最近は大学図書館で建築が進められているラーニングコモンズにおける学習支援環境の構築など、物理的な教室環境・学習環境のデザインと、そこで行われる学習支援、スタッフ育成に関する研究・実践も行っています。ICTを活用した教育方法や教育・学習支援システムのデザイン・開発・評価という、いわゆる「つくる系」の研究を主に行っている研究室です。具体的な研究キーワードとしては
・ICTを活用した教材開発・評価
・コンピューターによる協調学習支援システム(Computer-Supported Collaborative Learning)
・TELL(Technology-Enhanced Language Learning), CALL(Computer-Assisted Language Learning)
・教育・学習におけるソーシャルメディアの活用
・ラーニングコモンズ、アクティブラーニング空間の効果測定、またそれらにおける学習支援法やプログラムの開発・評価
・インフォーマルラーニング
・ゲームを活用した学習、教育・学習用ゲーム教材の開発・評価
・反転学習
・FD
・自己調整学習などの理論を活用した学習システムなどの開発・評価
・モバイル学習
などがあります。

具体的な内容やプロジェクトはプロフィールプロジェクトを参考にして頂ければと思います。

Q:どういう学生さんに来て欲しいですか?
これについては過去にブログのエントリーに書きましたので、そのまま転用します。

1:ちゃんと研究をしたいという学生さん
大学院はスキルを身につけるところでなく、研究をするところです。さらに教育・学習の研究は国内だけではなく、海外でも数多くされており、国際論文誌などの海外の研究知見についても理解していくことが、教育・学習の研究においては不可欠です。英語が苦手という方も多いと思いますが、今は苦手でも、乗り越えていくという気持ちが大事です。「苦手だから、読まない、やらない」という選択肢は、この分野ではあり得ません。自分でわからないことも調べて、わかるようになっていく、それを批評し、自分の研究に活かしていくサイクルは修士でも、博士でも、一般社会でも求められます。

2:アクティブな学生さん
待っていては何も機会も得られないというのが、大学院です(学部でも同じかな)。当然、企業等の社会でも同様です。国内外で学会発表、国際会議発表にチャレンジすることなどを通じて、4番目に関係しますが、国内外の研究者や学生さんなど、仲間を増やして欲しいと思います。また授業で得られる知識だけで研究はできません。研究に関わる知識、スキルはどんどん勉強して、身につけていってください。すべて「教えてもらえる」という意識では大学院は全うできません。これは九州大学だけではなく、他の大学でも同様です。

3:エネルギッシュな学生さん
体力だけではなく、熱意や誠意も必要です。熱意や誠意があれば、伝わることもある。これは研究でも企業等社会でも同じです。でも、情熱だけではいけません。それで科学的根拠もなく、気持ちだけで空回りしては意味がありません。そこは注意しましょう。

4:コラボレーションが好きな学生さん
みんなでお互いの研究や研究室で行うプロジェクトを助け合って、成功させていくこと、それを通じて、自身も成長させていくこと。これは社会に出ても必要なことです。

Q:社会人学生も受け入れていますか?

回答から言うと、受け入れています。ですが、社会人の皆さんには大学院で「研究」することの意味、負荷について、冷静に考えてから、大学院進学という道を選んで欲しいと思っています。「研究」することの意味、意義をご自身で考えるためにも、まず、なぜ「科目等履修生」で授業を取るのではダメなのか?ということも自問自答してください。授業を受けて、知識を身につけ、ご自身の実践の場に持ち帰り、問題解決をすることも可能です。そのこと以上に「研究」を2年間も掛けて、修士号を取ることの意味を何でしょうか?その意味が考えられないと、残念ながら、現状の日本の大学院でやっていくことは厳しいと思います。

働きながら大学院に進学し、研究をしたいという気持ちはすばらしいものです。しかし、その選択は、業務命令でない限り、やはりご自身されたことで、体力的にも精神的にもきついです。「業務が忙しい」は「研究が進まない」理由になりません。それはみなさんの業務においても同じことですよね。研究のクオリティーとして、社会人だから甘くするということはあり得ない話です。国内外、特に海外の研究文献にあたり、独自性のある研究を行っていくことは、社会人とか、学部からそのままあがってきた学生と行った立場には全く関係のないことです。時間を作って、マネージメントをして研究をしていくこと、その大変さに立ち向かっていく覚悟がある社会人学生は、大歓迎ですし、ちゃんと研究指導をしていきます。

Q:ぜひ受験をしたいと思います。?
受験を希望される方はまずは私にメールで必ず問い合わせをしてください。入試がだいたい8月末から9月頭(春入試は2月頭)ですので、私へのコンタクトは遅くとも6月まで(春入試では11月)にはして頂きたいところです。7月だと時間があまりなく、出願、受験勉強とあまりに忙しくなると思います。特に教育学部出身ではない学生さん、または教育工学を一度も勉強して来なかった学生さんにとっては7月でのコンタクトは遅いです。正直、厳しいです。
コンタクトをとってもらって、実際に対面で話をして、本当に大学院を受験するか考えてもらいます。お互いに考えていることを共有したいと思いますし、私の指導方針もご理解頂いた上で、決定して欲しいと思っています。また、私では担当できない研究テーマをされたい方にも、オススメの大学院、研究室を紹介します。

Q:受験のための手続きはどのようにすればよいですか?
本学貝塚地区の事務から願書を取り寄せて頂き、手続きをしてください。

Q:教育工学の研究をこれから始めるのに参考になる文献などありますか?

実にいろいろあります。一般的なものから、専門とされたい領域に特化したものもあります。大学院受験時には知っておいて欲しいことが書いてある教科書のようなものもあります。下記にかなり挙げていますが、これでもまだ一部です。ご自身の興味、知らないことなどに合わせて読むようにして下さい。

教育工学の基本的知識を身につけたい方向け

赤堀侃司 (2002). 教育工学への招待ー教育の問題解決の方法論, ジャストシステム, 東京
坂元昂, 岡本敏雄, 永野和男 (2012). 教育工学選書1 教育工学とはどんな学問か, ミネルヴァ書房, 京都

本を読んだんだけど、出てくる学術用語の意味が知りたい方向け

日本教育工学会 (2000). 教育工学事典, 日本教育工学会(編), 東京

これから教育工学の研究をはじめたい方向け

S.M. ロス , G.R. モリソン (著), 向後 千春, 清水 克彦 , 余田 義彦, 鈴木 克明 (翻訳) (2002) 教育工学を始めよう―研究テーマの選び方から論文の書き方まで,北大路書房,京都
清水康敬・中山実・向後千春(編著) (2012) 教育工学選書3 教育工学研究の方法, ミネルヴァ書房 , 京都

小学校、中学校、高等学校をフィールドに研究をしたい方向け

西之園晴夫,生田孝至, 小柳和喜雄(編著)(2012) 教育工学選書5 教育工学と教育実践研究, ミネルヴァ書房, 京都
吉崎静夫, 村川雅弘(編著) (2016) 教育工学選書12 教育実践論文としての教育工学研究のまとめ方, ミネルヴァ書房, 京都

教育工学でもICT利用との接点に興味がある方向け

A.コリンズ, R.ハルバーソン(著), 稲垣忠(翻訳)(2012). デジタル社会の学びのかたち: 教育とテクノロジの再考, 北大路書房, 京都
三宅なほみ (1997). インターネットの子どもたち, 岩波書店
三宅なほみ・白水始(著)(2003). 学習科学とテクノロジ, 放送大学教育振興会
近藤 勲, 堀田 龍也, 野中 陽一, 黒上 晴夫(編著) (2015). 教育メディアの開発と活用, ミネルヴァ書房, 京都

教育工学でも学校外・授業外学習をテーマに研究したい方向け

山内祐平, 山田政寛(編著)(2015). インフォーマル学習, ミネルヴァ書房, 京都
山内祐平, 林一雅, 西森年寿, 椿本弥生, 望月俊男, 河西由美子, 柳澤要 (2010). 学びの空間が大学を変える, ボイックス株式会社, 東京
山内祐平, 森玲奈, 安斎勇樹 (2013). ワークショップデザイン論ー創ることで学ぶ, 慶應義塾大学出版会, 東京

認知心理学・学習科学など教育工学の基礎分野
教育工学の研究を進めていく上で必要となる基礎的な理論・研究成果を知りたい方向け(学習科学、認知心理学、発達心理学、教育心理学(自己調整学習(Self-regulated learning)など)

佐伯胖 (2000). 「学び」の構造, 東洋館出版社, 東京
稲垣佳世子・波多野誼余夫(著)(1989)人はいかに学ぶか 日常的認知の世界 中公新書
三宅芳雄, 三宅なほみ (2014). 教育心理学概論, 放送大学教育振興会, 東京
Bransford, J.D., Brown, A.L., Cocking, R.R. (2000) How People Learn: Brain, Mind, Experience, and School
米国学術研究推進会議 (著), 森 敏昭, 秋田 喜代美, 21世紀の認知心理学を創る会 (訳)(2002) 授業を変える 認知心理学のさらなる挑戦, 北大路書房, 京都(”How people learn”の訳本)
波多野誼余夫・大浦容子・大島純 (2004) 学習科学, 日本放送出版協会
Saywer, R.K. (2006). The Cambridge Handbook of Learning Science, Cambridge University Press, Cambridge, UK
Saywer, R.K. (2014). The Cambridge Handbook of Learning Science, Cambridge University Press, Cambridge, UK(第2版)
R.K. ソーヤー (編集), 森 敏昭, 秋田 喜代美 (翻訳)(2009) 学習科学ハンドブック, 培風館(“The Cambridge Handbook of Multimedia Learning”の訳本)
Solomon, G. (1996). Distributed Cognitions: Psychological and Educational Considerations (Learning in Doing: Social, Cognitive and Computational Perspectives), Cambridge University Press, Cambridge, UK
G. ソロモン(編)松田文子(監訳) (2004). 分散認知 – 心理学的考察と教育実践上の意義, 協同出版(”Distributed Cognitions”の訳本)
Lave, J. & Wenger, E. (1991). Situated Learning: Legitimate Peripheral Participation (Learning in Doing: Social, Cognitive and Computational Perspectives), Cambridge University Press, Cambridge, UK
Wenger, E. (2000).Communities of Practice: Learning, Meaning, and Identity (Learning in Doing: Social, Cognitive and Computational Perspectives), Cambridge University Press, Cambridge, UK
Garrison, R. D. (2011). E-Learning in the 21st Century: A Framework for Research and Practice, Routledge, New York, NY
Schunk, D. H. & Zimmerman, B. J. (2008). Motivation and Self-Regulated Learning: Theory, Research, and Applications, Routledge, New York, NY
Zimmerman, B.J. & Schunk, D.H. (2001). Self-Regulated Learning and Academic Achievement: Theoretical Perspectives, Routledge, New York, NY
Zimmerman, B. J. & Schunk, D.H. (2011). Handbook of Self-Regulation of Learning and Performance (Educational Psychology Handbook) , Routledge, New York, NY
Schunk, D.H. & Zimmerman, B.J. (1998). Self-Regulated Learning: From Teaching to Self-Reflective Practice, Guilford Press, New York, NY
Hacker, D. J., Dunlosky, J. & Craesser, A.C. (2009). Handbook of Metacognition in Education, Routledge New York, NY
Vygotsky, L. S. (1978). Mind in Society: Development of Higher Psychological Processes, Harvard University Press
J.ピアジェ(著) 滝沢武久, 佐々木明(訳)(1970) 構造主義, 白水社, 東京
J.ピアジェ(著) 滝沢武久(訳) (1972). 発生的認識論, 白水社, 東京
J. ピアジェ(著), 波多野完治, 滝沢武久(訳)(1998). 知能の心理学, みすず書房, 東京
J. デューイ (著) 市村尚久(訳) (2004). 経験と教育, 講談社, 東京
J. デューイ(著) 市村尚久(訳) (1998). 学校と社会 – 子どもとカリキュラム, 講談社, 東京
Bandura, A. (1976). Social Learning Theory, Prentice Hall, Upper Saddle River, NJ
Bandura, A. (1985). Social Foundations of Thought and Action: A Social Cognitive Theory, Prentice Hall, Upper Saddle River, NJ

統計・評価
自ら開発した教育方法や学習システムなど問題解決の効果を評価する方法を知りたい方向け

吉田寿夫(著)(1998) 本当にわかりやすい、すごく大切なことが書いてある ごく初歩の統計の本, 北大路書房, 京都
山際勇一郎・田中敏 (著) (1992) ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法 – 方法の理解から論文の書き方まで, 教育出版, 東京
永岡慶三・植野真臣・山内祐平 (編著) (2012) 教育工学選書8 教育工学における学習評価, ミネルヴァ書房

eラーニング、教育・学習支援システム
教育工学におけるICT利用、学習支援システム開発など開発研究について興味がある方向け

山内祐平(編著)(2010) デジタル教材の教育学、東京大学出版会, 東京
矢野米雄, 平嶋宗(編著)(2012) 教育工学選書4 教育工学とシステム開発, ミネルヴァ書房, 京都
青木久美子(編著)(2012) eラーニングの理論と実践 放送大学教育振興会
Mayer, R. (2005) The Cambridge Handbook of Multimedia Learning, Cambridge University Press, Cambridge, UK
Mayer, R. (2014) The Cambridge Handbook of Multimedia Learning, Cambridge University Press, Cambridge, UK(第2版)
Hoppe, U.H., Ogata, H. & Soller, A. (Eds.) (2007). The Role of Technology in CSCL: Studies in Technology Enhanced Collaborative Learning (Computer-Supported Collaborative Learning Series), Springer, Netherlands
Koschmann, T., Hall, R.P. & Miyake, N.(Eds.)(2002). Cscl 2: Carrying Forward the Conversation (Computers, Cognition, and Work), Routledge, UK
藤本徹 (2007) シリアスゲーム―教育・社会に役立つデジタルゲーム, 東京電機大学出版局, 東京
Ifenthaler, D., Eseryel, D. & Ge, X(Eds.)(2012).Assessment in Game-Based Learning: Foundations, Innovations, and Perspectives, Springer, Heidelberg, Germany

インストラクショナルデザイン
対面授業、FDセミナー、eラーニングのデザイン手法について知りたい方向け

鈴木克明(著)(2002)教材設計マニュアル 独学を支援するために 北大路書房, 京都
稲垣忠・鈴木克明(著)(2011) 授業設計マニュアル―教師のためのインストラクショナルデザイン, 北大路書房, 京都
R.A.リーサー, J.V.デンプシー(編) 鈴木克明, 合田美子(監訳) 半田純子, 根本淳子, 沖潮満里子, 椿本弥生, 寺田佳子, 渡辺雄貴, 山田政寛 (訳) (2013) インストラクショナルデザインとテクノロジ -教える技術の動向と課題-, 北大路書房, 京都
Reiser, R.A. and Dempsey, J.V.(Eds.) (2011). Trends and Issues in Instructional Design and Technology, Third Edition, Allyn & Bacon
斎藤裕, 松田岳士, 橋本諭, 権藤俊彦, 堀内淑子, 高橋徹, 玉木鈞也. (2006). eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン, 東京電機大学出版局, 東京
Reigeluth, C. M. & Carr-Chellman, A. (2002). Instructional-Design Theories and Models, Volume III: Building a Common Knowledge Base, Routledge, UK

論文誌
大学院に入ってからだけではなく、大学院入試のためにも読んでおく必要があります。特に社会人で大学院入試をされる方は、学術本ではなく、ノウハウ本で研究計画を立てる方がとても多いのですが、それはダメです。研究をする場が大学院なので、自分がやりたい研究に関係する論文は最低限読み、国内外の動向は押さえておきましょう。国内の論文はCiNii(http://ci.nii.ac.jp/)で検索ができ、無料で公開されているものもあります。海外はERIC(https://eric.ed.gov/)で検索して、見つけましょう。

日本教育工学会論文誌
http://www.jset.gr.jp/
日本で教育工学系最大の学会。扱うテーマは幅広い。最新の1年分以外はCiNii(http://ci.nii.ac.jp/)で無料で読むことができます。全国大会も1年に1回、あるので、大学院入試までに時間がある方は参加してみると良いと思います。

教育システム情報学会論文誌
http://www.jsise.org/
教育工学でも、教育・学習システム開発を中心とした学会。論文誌を読むことができるのは会員のみ。全国大会はJSETと同じく1年に1回、あるので、大学院入試までに時間がある方は参加してみると良いと思います。

Computers & Education
http://www.journals.elsevier.com/computers-and-education/
Google Scholarの中でトップランクの海外論文誌。Impact factorも教育工学という狭い領域だけど、絞れば、おそらくTop3には入っている

Educational Technology Research & Development
http://www.springer.com/education+%26+language/learning+%26+instruction/journal/11423
教育工学系で海外論文誌の老舗。教育工学系で著名な研究者はここを通ってくる。

Educational Technology and Society
http://www.ifets.info/
教育工学でも、教育・学習システム開発系中心の海外論文誌。無料で読める。

The Internet & Higher Education
http://www.journals.elsevier.com/the-internet-and-higher-education/
高等教育をフィールドにした教育工学系論文誌。システム開発から心理的な要因に関するテーマまで、高等教育×インターネットで関係しているものが掲載されている

Distance Learning
http://www.tandfonline.com/loi/cdie20#.UtgL82RdU3s
遠隔教育をテーマにした論文誌はここ。オーストラリアの学会が運営している

Instructional Science
http://www.springer.com/education+%26+language/learning+%26+instruction/journal/11251
認知心理学関係の論文誌というイメージ。システム系もあるが、理論的背景にあるのは、認知心理学のものが多い(気がする)。読み応えのある、勉強になる論文誌

Journal of Learning Sciences
http://www.tandfonline.com/toc/hlns20/current#.UtgMI2RdU3s
学習科学の論文誌。世界で唯一じゃないかな。理論系も合わせて勉強になる論文誌。今後のトレンドを見るにも参考になる

International Journal of CSCL
http://www.springer.com/education+%26+language/learning+%26+instruction/journal/11412
Journal of Learning Sciencesと同じ組織が発刊している論文誌。CSCLでも理論系が強い

Active Learning in Higher Education
http://alh.sagepub.com/‎
まだ若い論文誌。システム開発ではなく、活用する系の研究が多い。高等教育がフィールド

Journal of Computer Assisted Learning
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1365-2729
これも老舗。CALであれば、扱っているフィールドは幅広い。

Interactive Learning Environments
http://www.tandfonline.com/loi/nile20#.UtgMj2RdU3s
学習システムでも、双方向性を意識したものに興味がある方は必読

Educational Media International
http://www.tandfonline.com/loi/remi20#.UtgMomRdU3s
これも、CALに似ている。小学生から大人まで、フィールドは幅広い。フランス語、ドイツ語のアブストラクトがある

Learning, Media and Technology
http://www.tandfonline.com/loi/cjem20#.UtgMsWRdU3s
教育・学習システム開発系から、活用、メディア利用の意識など、教育・学習フィールド×ICTなら幅広い

British Journal of Educational Technology
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1467-8535
私は個人的には好きな論文誌。4000words前後までと、投稿規定があるため、コンパクトな論文が多い。読みやすく、中身もワクワクする研究が多い(個人的感想)。

Assessment and Evaluation in Higher Education
http://www.tandfonline.com/toc/caeh20/current#.Uu8YlXd_txE
高等教育の評価に関する研究であれば、かなり幅広く受け入れている。IR的なものから、授業評価、授業評価手法などもある。高等教育の評価系の研究に興味がある方は読んだ方がいい

Higher Education
http://link.springer.com/journal/10734
この論文誌もなかなか幅が広い。なんたって”Higher Education”やからね。Higher Educationであれば、なんでも。FDの論文もあったりする。アプローチも心理系でやる論文もあれば、社会調査系もある。

Computer Assisted Language Learning
http://www.tandfonline.com/loi/ncal20#.Uu0njXd_vjM
言語学習支援システムの論文。開発だけではなく、活用、現場へのICTツール適用評価など、扱っているテーマは言語教育システムでも幅が広い。しかし、システム開発研究の人も結構出している。

CALICO Journal
http://journals.sfu.ca/CALICO/index.php/calico/index
CALLと同じ系統の論文。北米のCALL関係学会の論文誌。毎年5月から6月に国際会議が北米地域で開催される。EuroCALLと提携している

Language Learning & Technology
http://llt.msu.edu/
まだ若い論文誌。インパクトファクターも高め。無料で読める。いい論文が多い。査読もむちゃ厳しい

ReCALL
http://journals.cambridge.org/action/displayJournal?jid=rec
EuroCALLがマネージしている論文誌。CALLと似たような感じの論文誌。国際会議EuroCALLでセレクトされたり、内容を拡張して、ここに投稿することも可能

メッセージ

私は研究室に所属する学生には、どの進路に進むにしろ、積極的に、活発的に、将来の専門家として、そのポテンシャルが発揮できるように育って欲しいと願っています。そのためにも、自分で国内外の様々なリソースを探し、学習機会を積極的に見つけ、成長していって欲しいと思います。修士もそうですが、企業・官庁自治体などに行っても、また博士課程に進学しても、なんでも0から教えてもらえるということはまずないです(社会人学生なら身にしみて、理解されていると思います)。何がわかっていて、何がわかっていないのか、それがわかるためにはどうすればいいのか、どういう方法で学習(仕事)することが自分に向いているのか、専門的にいうと、メタ認知を発揮をして、行動に移すことが求められます。これは私の学部での授業方針もそうですし、修士であればなおのこと、意識してやっています。そういうことをみんなで学んで、お互いに助け合い、成長していける研究室にしたいと願っています。

大学院は厳しいところでもありますが、楽しくも、辛い、でも仲間もできて、助け合いながら、乗り越えていける、自分を大きく成長させる場でもあります。そこで得たものは、教員や研究者にならなくても、そういう進路・職に関係なく、必要なことで、決して無駄になることはありません。進路の選択肢の1つとして考え、直接お話を聞きたい方はmark[at]mark-lab.netまでご連絡下さい。その前に、ちゃんと入試までのスケジュールを確認するようにしてください。

初等中等教育を中心とした教育方法論や、教授ストラテジーにご興味がある学生さんや、調査方法として参与観察のアプローチで研究をされたい学生さんは、本学には田上哲先生や久米弘先生という専門家もいらっしゃいますので、進学先の選択肢としてご検討頂けると幸いです。これからの人材育成を支え、世界に貢献したいみなさん、ぜひお越し下さい。楽しみにしています。

山田政寛