土曜日か日曜日(ちょっと記憶があいまいですが)に「スポーツうるぐす」を見ていた。武田修宏が三浦カズと一緒に練習をし、インタビューをしていました。
カズはもう41歳。まだ現役でやっています。欧州や南米という強豪が多い国では40になってまだ現役をしている人は大変数少ないのですが、その中でも40を越えて、一部リーグでフォワードをやっている選手はほとんどいないのではないでしょうか。
引退がいつか、引退後は監督になるのかという話も出てきますが、サッカーをする上で大切なこととして、「サッカーをリスペクトすること」と言ってました。
40歳にもなると、若手はどんどん出てきますし、スタメンで起用されることも少なくなってきます。どれだけ練習しても20代のような動きができることはありません。体力は衰えます。監督の起用も受け止めて、結果を受け止めること。それはサッカーのプロだからだということでした。
他のスポーツでもそうだと思うのですが、サッカーでは「リスペクト」という言葉をよく聞きます。いろんなことを言う人がいるのですが、たとえば、相手がどんなに格下の相手でも最高に調子のいいメンバーで試合に臨む(国代表の試合では特に多い)ことや本気やることがリスペクトということもあります。そのため、怪我することも多いスポーツで、シーズンを棒に振る選手もいます。そういったネガティブな面も含めて受け入れて、サッカーを続けること。それがサッカー選手がいうサッカーに対する「リスペクト」ということでしょうか。
研究は競争という色もありますが、サッカーとは違い、直接的な試合などはありません。「勝利する」ということは意識されません。しかし、カズのインタビューを聞いて思ったことは、実験結果でいい結果が出ないことや学会などで、厳しいことを言われるというようなネガティブなこと(厳しいことを言われるのはネガティブなことではないと思いますが)があっても、それは受け入れなければならないのだと思いました。また、ある研究歴が長い研究者は、学生や経験が浅い研究者に対して、厳しく質問し、議論をすること。それらは「研究へのリスペクト」なのかもしれません。
最近、博士の公聴会に出席し、聴講する機会が3回あったのですが、大変厳しいことをおっしゃる先生方もいらっしゃいました。とある大学の公聴会では、公聴会後もメールで、質問内容をまとめて送ってくださった先生もいらしたらしいです。これを公聴会でやるべきことかというのは別として、それはその先生の「研究へのリスペクト」の現れだと思います。
研究はサッカーとは違い、若年で引退ということはありません。60歳、70歳、はたまた死ぬまで、勉強を続け、研究を続けなければなりません(途中で、「政治家」になる方もいらっしゃいますが)。厳しい環境に身をおいて研究を続けるというのは、精神的にも体力的にも強くなければなりませんが、それでも必要なことを勉強して、研究して、実験してもいい結果が出なくても、研究が好きで続けること、また自分が所属する研究コミュニティーにおいても厳しくあり続けることが、「研究へのリスペクト」ということだと思いました。
私の恩師であります、赤堀先生は今でも国内の学会、国際会議での発表もされてますし、論文も書いてらっしゃいます。赤堀先生のようなランクの先生になると、国際会議、国内の学会発表すらしない先生も出てきます。研究指導も2か月に1度はして頂きまして、大変厳しいコメントを頂きます。また、学生室と教授室の間にあるドアはお客様が来ていない時はずっと空いているので、風通しは大変いいです。いつでも研究の相談などさせて頂くことができます。さらに先生自らゼミでもご発表されます。これらはまさしく研究への真摯なる姿勢、「研究へのリスペクト」だと思います。
このような話は教員から学生に言われることが多いのですが、私たち研究者こそ常々忘れてはいけないことだと再認識しました。

