
最近、英語学習コミュニティーサイト"I Know"をはじめ、様々な学習コミュニティーサイトが登場してきています。教育工学でもSNSの教育利用が1つのテーマになっていますが、ここにまた1つ、英語学習コミュニティーサイトがありました。
Q&A 英語学習コミュニティー「えそら」
このサイトの特徴は本格的な英語学習をするのではなく、「ちょっとした表現」を知ることができるという点だと思います。開発者のブログを読んでいても、本格的な学習を目指しているというものではないように思いました。この「緩さ」がいいじゃないですか。大学の講義でこの手のものを使おうとすると、教員は欲張りなもので、本格的な学習、たとえばドリルなんて提供してしまうわけですが、そんなことは一切なし。すばらしい「緩さ」じゃないですか。あくまできっかけ作りという感じがします。
サイトでは英語学習教材を提供するのではなく、メンバーがちょっと知りたい表現やその他さまざまな英語に関係するスレッドを上げ、知っている人がそれに回答していくという形です。「教えてGoo」の英語学習版+拡張機能という形ですね。
「教えてGoo」や「Hatena」に近いのは、回答やスレッドなどを評価できることです。メンバーは「ちょうど知りたいかったんだよ!」とか、「これはいい回答だ」とか、「この回答をした人はすばらしい!」など感じたことがあれば、星マークをクリックすることで評価を付けることができます。この星の色は黄色と赤の2段階に分けることでき、自分で意味合いを変えて、色を付けることができます。
また、YouTube上にある動画もスレッドにいれることができ、英語学習に役立ちそうな動画を紹介し、その動画をテーマに話をすることができます。
これはコミュニティーサイトなので、マイページを持つこと出来るのですが、このマイページには自分の紹介や今学習している言語と母国語を登録することができます。またマイページが見られた回数とつけられた星の数を表示することができます。星を付けたスレッドが更新されると更新通知が表示されます。これはMixiで自分が入っているコミュニティーに新しい書き込みがあるとマイページに表示されるという仕組みと似ていますね。
このサービス、企業が提供しているのではなく、個人が考えて、開発し、提供しているのです。これがまたすごい!個人ゆえに自由に考えたものを提供できるというのいいですね。こういうことをするには相当なインスピレーションと開発能力が求められますが、こういうことができる人は本当に強みがある人だと思いました。
コミュニティーといってもメンバー間でつながりを持たせるような機能がないので、一般世間的にいわれるSNSとは違います。こういうサイトを活発化させるには質問者と回答者の役割を果たす人を取り込まなくてはいけないのですが、この点についての工夫を知りたいです。自由に開放しても、そういう役割を担ってくれる人は少ないでしょう。ほとんどROMだと私は思うのです。そのため、こういったインフォーマルな学習コミュニティーサイトと謳っているものは単に人を集めてはいけません。重要なことはどうやって上級者、中級者、初級者の各レベルで書き込んでくれる人を集めてるに掛っていると思います。この工夫をぜひ知りたいです。
教育にSNSを利用するというテーマが最近、大きなテーマですが、もしSNSを学習者向けに提供するという強い思いがあるのであれば、SNSという環境を有効に活かすための「地道な力仕事(だと私は思う)」がどういうことなのか、どうすればいいのか、この土台になる点を教育工学や協調教育の研究分野だけではなく、心理学などの幅広い研究分野から検討する必要があると思います。
Q&A 英語学習コミュニティー「えそら」

