そろそろ教育工学会です。一昨日、中原先生の研究室学生の発表練習がありました。私も修士学生のころはよくやってました。研究室メンバーで自主的に練習会をやって、先生にご指導を受けてました。懐かしいです。
発表練習後、中原先生より、学会の見どころの話がありました。私も教育工学会のプログラムはあまりよく見てなかったので、おもしろそうな発表がないかチェックしてました。
興味があるところはやはり1つはSNSというのがあるのですが、これは教育システム情報学会(JSiSE)でも1つのセッションになるほど、テーマになっていたということでした。JSiSEでは研究部会ができるほどです。
しかし、このSNS、再び思うのですが、どのように教育利用するのがいいのでしょうか?(そもそも教育利用するべきなのか?という議論もあっていいと思いますが)前に、私の後輩の大浦君(現在、ワシントン大学博士課程学生)とは「今のところ、日本でSNSの教育利用で成功してそうな研究は少ない」という話をしていました。なぜなんだろう?とちょっと考えてみたのです。うまくいっていない理由がいくつかあると思うのですが、私が思うところでは・・・
1:フォーマルラーニングの場には合いにくい
-SNSの特徴である社会的広がり(招待などで、参加者が増えていくことや、学習者中心のコミュニティーを形成することが難しいなど)があまり活発に起こらない。「常に動いている」というSNSでの大きな特徴が活かしきれない。広がりや「常に動いている」というような特徴がないものは電子掲示板やブログと同じです。
-「人間は楽をしたい生き物」 今の学生の特徴かもしれません。学校外まで勉強はしたくない学生が多い中で、勉強するためのSNSという環境を与えても敬遠されるだけではないか?
2:情報の価値があまり高くない
-成功しているSNSはMixiにしろ、WEBデザイナーのSNS、就職活動学生のSNSにしろ、SNS内で交わされる情報が学習者にとって価値があるのか?という点です。学習者が興味・関心を自主的に強めて、「知りたい」、「勉強したい」という気持ちになる情報が交わされるものなのか?前に、専修大学の望月先生ともお話をしてたのですが、SNS内で交わされる情報に対して、学習者が強い価値を感じないとSNSはうまくいかないでしょう。World CALLでも日本人の先生で、異文化学習の文脈でSNSを導入したという実践報告がありました(まさしく実践です。研究ではありません)。「日本人側で、コンスタントに参加した人数はどれくらいですか?」と聞かれ、「2,3人」と答えていました。それは当然と言えば当然なのかもしれません。2,3人でもそれは実践として成功だと思います。2,3人の学生にとって、大変価値がある情報がその場で交換されていたのであれば、大成功でしょう。学習者がやりたいことを自主的に行い、学習する環境としてSNSは提供されないといけないと思います。「どうしてもフォーマルラーニングでSNSを使うんだ!」という意思が固い研究者や教員の方は、1授業2,3人程度(それ以下になることもあると思いますが)が常に参加すれば成功というラインを引いておくのがいいと思います(点数を付けるとか、単位をあげるという話になると、SNSの特徴が崩れると思います)。
3:「緩さ」
-ガチガチに教員が参加するSNSは難しい。特に単位が関係するものでは特に難しいでしょう。監視されているような感覚が生じるのは望ましくないと思います。参加するのも自由、発言するのも自由。ROMもあり。という感じがよいと思います。緩いコミュニティーであることが重要だと思います。進捗とか、管理し始めるとそれはSNSではなく、グループウェアです。
やはり、教員が介在する学習の場にSNSを使用するのは大変なことかと思います。さらに強制力を感じさせないようにするということです。難しいです。SNSの使用は自分本位なのです。自分が使用したい時に使用する。それが友人がきっかけに学習のためのSNS利用を促進できればいいですよね。開放感がある感じで。
こういうニュースがあるようです。
教育家庭新聞:高校生限定のSNS en高校生
IT Media エンタープライズ
FacebookやTwitterの社内利用に肯定的な立場を貫くGartner
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0809/30/news005.html 
