ED-MEDIA2008が始まりました。ウィーン工科大学で開催されています。6月30日から7月4日まで開催されています。私は30日にレジストレーションをしたのですが、入口がどこかわからなくて、大変でした。日が経つにつれて、運営もしっかりしていっているように思いますが、アルバイトが床に寝っ転がっているのを見たときは、「これはどうなの?」とは思いました。学会でもバイトの管理を徹底する日本が異常なんでしょうか?
今日の段階でおもしろいと私が思った研究を簡単に紹介します。
Investigating the Relationships of Social Presence, Satisfaction, and Learning Achievement in the Blended Learning Environment, Kang & M., Kang. (2008)
オンラインラーニングが世界的に導入されていますが、学習者が孤立感を抱いたり、情意面として、学習の動機がキープできないというような問題があります。その問題を解決するための1つとして、協調学習をするというのは近年では王道と言えるくらいの方法となっています。しかし、協調学習を行うといっても、学習者中心の学習であっても、インタラクティブな活動があり、学習してもらわないと困るわけです。その協調学習を活発化させるポイントとして、学習者の存在感を高くするという手があります。存在感は笑いや相手の名前を呼ぶなどの社会的存在感と、相手の意見に賛成する(反対する)、相手の発言を引用するなどの認知的存在感、指導的な発言を含む教授的存在感というものがあります。この研究はこの存在感に関する指標を作って、客観的に測ることができるようにしようという研究です。

しかし、私は社会的存在感は文化差があること、認知的存在感については学習方略と関わってくると思います。この点の問題をどう回避して尺度化してゆくのか、大変面白い試みで、今後が楽しみです。私も社会的存在感と認知的存在感の研究をしていますので、今後も注目したいと思います。このあたりの研究はTu(2000)やGarrison & Anderson (2005)が大変詳しいです。
Moving beyond the plentitude: An Indian Fable, Narayanan, G. (2008)
途中から入ったので、全部は把握できていません。勉強させるという行動面を促進させるにはやはり、自主的に子供たちが勉強できるような環境を提供しないといけませんが、それがITだけですべて完結できるというのは、人間の精神的なところに訴えかけるものがないのではないか?ということで(精神と行動を一致させる?でしたか?そんなことをおっしゃってたと思います)、実体験を通じて、楽しく、自主的に学習する子供を育てる教育プロジェクトを紹介していました。

たとえば畑に行って、昆虫を観察してから、クラフト紙を使って昆虫を作る活動に、コンピュータで昆虫の動きを調べて、昆虫の動きを模したロボットを作る活動や、土の成分を勉強する活動の一環として、センサーを使って、土を解いた水で音を奏でる活動などが紹介されていました。その音が変わる理由を調べるために、コンピューターを使って土の成分を調べるなどの活動でした。他にもピコ・クリケットをつかって、音に反応する機械をグループで作るなどの活動も紹介されていました。これら活動の様子をSNSで共有し、そのSNSでアップロードされている活動の様子を参加者は引用して、自分のページで見せることもできます。
「精神面と行動面をどう合わせていくか」
なにか、私にはこの「精神面(Spiritual)」は遠い言葉でどういう意味なのか、と思っていましたが、この先生の発表を見て、子供がイキイキと楽しく学習している様子を見て、意味がわかりました。ITを使うことだけではなく、手を動かすことや、実際のモノに触れるということには特別な意味があるんだと実感しました。確かに私も小さい頃は祖父の畑に行って、よく遊んでましたし、勝手に大根とか抜いては怒られてました。給食で出たフルーツの種を植えて、育っていく様子を毎日見ていた記憶もあります。
私は言語教育の研究を主にしているのですが、例えば英語を実体験で使用しても、上記のようにうまくはいきません。逆に「もう英語は話したくない」「勉強したくない」という人が増えかねません。たぶん、このような活動を異文化間でやるのが一番いいとは思いますが、日本には時差という大きな、解決しがたい問題があり、異文化間交流をすること自体が難しいということもあります。前にiEARN(International Education and Recourse Network)というNPOがあるのですが、ここでは登録者間で異文化交流をするきっかけづくりがされています。世界各国のiEARN組織が各国の異文化交流プロジェクトが登録されていて、興味を持ったものに参加するという形になります。おもしろかったのは、太陽の光で卵焼きをつくるという環境教育プロジェクトなのですが、これを各国で、出来上がるまでの時間を比較して、その理由を学習するというものがありました。この活動に英語を使って、参加します。この活動を通じて、科学的な知識の習得だけではなく、英語の学習にも有効だったという報告がありました。
このような活動は「実際の英語場面を経験させることによって、英語学習の動機を高くする」という点とは若干、観点が異なるのですが、「精神面と行動面をどう合わせていくか」ということを言語教育で考えるいいヒントになると思います。
参考文献
Tu, C-H. & McIsaac, M (2002) The Relationship of Social Presence and Interaction in Online Classes, The American Journal of Distance Education, 131-150
Garrison, D.R. & Anderson, T (2003) E-learning in the 21st Century: A Framework for Research and Practice, Routledge Falmer publishing, Hampshire, UK
iEARN
http://www.iearn.org/
今日の段階でおもしろいと私が思った研究を簡単に紹介します。
Investigating the Relationships of Social Presence, Satisfaction, and Learning Achievement in the Blended Learning Environment, Kang & M., Kang. (2008)
オンラインラーニングが世界的に導入されていますが、学習者が孤立感を抱いたり、情意面として、学習の動機がキープできないというような問題があります。その問題を解決するための1つとして、協調学習をするというのは近年では王道と言えるくらいの方法となっています。しかし、協調学習を行うといっても、学習者中心の学習であっても、インタラクティブな活動があり、学習してもらわないと困るわけです。その協調学習を活発化させるポイントとして、学習者の存在感を高くするという手があります。存在感は笑いや相手の名前を呼ぶなどの社会的存在感と、相手の意見に賛成する(反対する)、相手の発言を引用するなどの認知的存在感、指導的な発言を含む教授的存在感というものがあります。この研究はこの存在感に関する指標を作って、客観的に測ることができるようにしようという研究です。
しかし、私は社会的存在感は文化差があること、認知的存在感については学習方略と関わってくると思います。この点の問題をどう回避して尺度化してゆくのか、大変面白い試みで、今後が楽しみです。私も社会的存在感と認知的存在感の研究をしていますので、今後も注目したいと思います。このあたりの研究はTu(2000)やGarrison & Anderson (2005)が大変詳しいです。
Moving beyond the plentitude: An Indian Fable, Narayanan, G. (2008)
途中から入ったので、全部は把握できていません。勉強させるという行動面を促進させるにはやはり、自主的に子供たちが勉強できるような環境を提供しないといけませんが、それがITだけですべて完結できるというのは、人間の精神的なところに訴えかけるものがないのではないか?ということで(精神と行動を一致させる?でしたか?そんなことをおっしゃってたと思います)、実体験を通じて、楽しく、自主的に学習する子供を育てる教育プロジェクトを紹介していました。
たとえば畑に行って、昆虫を観察してから、クラフト紙を使って昆虫を作る活動に、コンピュータで昆虫の動きを調べて、昆虫の動きを模したロボットを作る活動や、土の成分を勉強する活動の一環として、センサーを使って、土を解いた水で音を奏でる活動などが紹介されていました。その音が変わる理由を調べるために、コンピューターを使って土の成分を調べるなどの活動でした。他にもピコ・クリケットをつかって、音に反応する機械をグループで作るなどの活動も紹介されていました。これら活動の様子をSNSで共有し、そのSNSでアップロードされている活動の様子を参加者は引用して、自分のページで見せることもできます。
「精神面と行動面をどう合わせていくか」
なにか、私にはこの「精神面(Spiritual)」は遠い言葉でどういう意味なのか、と思っていましたが、この先生の発表を見て、子供がイキイキと楽しく学習している様子を見て、意味がわかりました。ITを使うことだけではなく、手を動かすことや、実際のモノに触れるということには特別な意味があるんだと実感しました。確かに私も小さい頃は祖父の畑に行って、よく遊んでましたし、勝手に大根とか抜いては怒られてました。給食で出たフルーツの種を植えて、育っていく様子を毎日見ていた記憶もあります。私は言語教育の研究を主にしているのですが、例えば英語を実体験で使用しても、上記のようにうまくはいきません。逆に「もう英語は話したくない」「勉強したくない」という人が増えかねません。たぶん、このような活動を異文化間でやるのが一番いいとは思いますが、日本には時差という大きな、解決しがたい問題があり、異文化間交流をすること自体が難しいということもあります。前にiEARN(International Education and Recourse Network)というNPOがあるのですが、ここでは登録者間で異文化交流をするきっかけづくりがされています。世界各国のiEARN組織が各国の異文化交流プロジェクトが登録されていて、興味を持ったものに参加するという形になります。おもしろかったのは、太陽の光で卵焼きをつくるという環境教育プロジェクトなのですが、これを各国で、出来上がるまでの時間を比較して、その理由を学習するというものがありました。この活動に英語を使って、参加します。この活動を通じて、科学的な知識の習得だけではなく、英語の学習にも有効だったという報告がありました。
このような活動は「実際の英語場面を経験させることによって、英語学習の動機を高くする」という点とは若干、観点が異なるのですが、「精神面と行動面をどう合わせていくか」ということを言語教育で考えるいいヒントになると思います。
参考文献
Tu, C-H. & McIsaac, M (2002) The Relationship of Social Presence and Interaction in Online Classes, The American Journal of Distance Education, 131-150
Garrison, D.R. & Anderson, T (2003) E-learning in the 21st Century: A Framework for Research and Practice, Routledge Falmer publishing, Hampshire, UK
iEARN
http://www.iearn.org/

